2005年12月27日

Ann/Bloom

ann_bloom.jpg

同じようで違ってる。



タイのカテゴリ100番目のエントリはAnnのニューアルバムです(2005年)。
彼女は元々x3 Supergangというグループにいてその後ソロに転向、ずっとグラミー所属のシンガーとして活動してたんですけど、2年前くらいに歌の勉強のために英国に留学。帰国後初のアルバムはメジャーのグラミーを離れて新進気鋭のインディーズLUCKS MUSICからのリリースとなったわけです。
アルバムのThanksクレジットでグラミーの名前も挙げてますし、ケンカ別れというわけではないみたいです。
たぶん制作陣も一新されていると思うんですが、曲調はほっとんど同じ。
ていうか、最近のタイインディーズのおしゃれ系(ってそんな聴いてないですが)ってAnn的な音をお手本にした部分もあると思うんで、こういう音になるのもむべなるかな、という気はします。
Ann自身も、インディーズの音に魅力を感じたところがあるのかも知れませんね。

ヴォーカルもパッと聴き「ああ、いつものAnnだな〜」って思っちゃうんですけど、よく聴くとかなり変わってます。
ていうか、実は彼女のヴォーカルってけっこう変化してるんですよね。例えば1stソロアルバムとグラミー時代最後のアルバム「Nice Time」を聴き比べても、その差は歴然なはず。1stはキュート、「Nice Time」はナイス。まあ大人になってるんですね。
それで今回なんですが、楽に歌ってる感じがする。
それは手を抜いてるということではなく、のびのびしている感じがするんです。
今までの彼女にはなかった、感極まったりアンニュイだったり切なかったり、単純に言うと表現の幅が拡がった印象があります。
万年少女みたいなルックスのAnnだけど、確実に大人の女性としての表現力を身につけているんだなあ、と感動しました。
かと言ってデビュー当時のキュートさも失わず、素晴らしいシンガーだと思います。
よく、おばさんでもチャーミングな人っているじゃないですか。あんな感じ。

このアルバム、タイでヒットしてるのかどうか知りませんけど、タイ人の「趣味のいい面」(例えば「マッハ!」より「フェーン・チャン」がヒットするとか)にばっちりアピールすると思いますし、根強いファンが多い(ような気がする)Annのことですから、失敗するわけはないと思います。
ていうか、今までより広いファン層を獲得できるんじゃないでしょうか。
個人的にも、彼女の歌をずっとずっと聴いていたいです。
posted by インサック at 01:46| Comment(2) | TrackBack(1) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月26日

Dayang Nurfaizah/Dayang Sayang Kamu

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名盤です!



久々にマレーシアのポップス聴きたいな〜と思って購入しました、ダヤン・ヌルファイザのニューアルバム(2005年)。
このアルバムはリパッケージ盤です。ということは先行した通常盤が売れたということです。
この人ってマレーシアではどういう位置づけなのでしょうか?
ssjさんのこのエントリではアイドルっぽい感じですが、アイドルなのかなあ?まあマレーシア人にとっては美人なのか。
確かにアルバムのタイトルに自分の名前入ってるし、インナーも写真満載だし、アイドル的扱いなのかも知れませんね。

彼女のアルバムはこれを持ってて、「なかなかいいんじゃない?」くらいの印象だったのですが、今回のこのアルバム、非常にいいです!

前作に感じられたマレー歌謡っぽさは影を潜め、マレーシアらしい、最新ではないけど洗練された「ヒップホップ以前のR&B」って感じで統一されてますが、これがいちいちかっこいいし、楽曲もちゃんとフックがあって、いい意味で「売れ線」。
よく聴くとマレー歌謡っぽい曲もあるのですが、音の洗練具合が上がっているので歌謡っぽく聴こえない、むしろR&Bナンバーが並ぶ中でいい感じのアクセントになっている。
とにかくかっちょいいっすよ!Dayangの声も心なしか大人になったような気がする。

また、リパッケージ盤なので、タイトル曲「Dayang Sayang Kamu」のリミックスヴァージョンや新曲も入っているのですが、これがまたいい出来なんだ!!
エイミー・マストゥーラの「Akan Datang」やNoraの「Kirana」に匹敵する、すばらしい、また非常にマレーシアっぽい名アルバムと言えましょう!ブラボー!!




posted by インサック at 00:08| Comment(6) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月25日

Marsha/In Love

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タイっぽくないタイのディーヴァ。



髪をばっさりと切ったMarshaのニューアルバムが出ました(2005年)。
「The River of Life」(2003年)以来2年ぶりです。
なんとなく2年ごとにきっちりアルバム出してる感じしますね。
この人については前も何度か取り上げたことがありますが、けして歌はうまくないんですが、その美貌と雰囲気とBuruno Brugnanoのセンスあふれるサウンドプロデュースにより、作品としてはいつも素晴らしいものを提供してくれる、個人的にはすごく信頼している歌手の一人です。

で、今回はちょっと芸風が変わってまして、まずBrunoがプロデュースしてない(Mixとマスタリングはやってるみたい)。
プロデュースはHorizenとSleepless Societyという、最近よく名前を聞くプロデュースチームがやってるみたいです。
そしてMarsha自身の歌い方も、以前のちょっと声が震えているいうか中島みゆきっぽいというか体温低い感じがなくなって、余裕で歌ってる印象があります。
音もいまどきのプロデュースになってて、バンコクのちょっとおしゃれなパブでかかってそうなスムースでジャジーなトーンで統一されてます。
それでもポップさは失ってないし、すごくいいアルバムだと思います。夜にまったり聴くとしみる感じ。
コーラスでRoseが参加してるんですけど、それも今までとちょっと違った色を添えている感じがしますね。

しかしこの人って昔からベタなタイポップスは歌わないですね。今まではBrunoの方向性かと思ってましたけど、今回もおしゃれチームを起用するあたり、本人が意識的にそうしているのかもね。
そもそも声質や歌い方がタイっぽくないですしね。ウェットな感じもタイ的な湿っぽさじゃないし。
デビュー当時のコンサートVCDは、ヴィジュアルはともかく音はダサかったけどなあ。

とにかく今回も素晴らしいアルバムでした。Marshaには今後もこんな感じで2年に1回くらい良質のアルバムを作り続けて欲しいです。

MAYA
Fine Days

posted by インサック at 22:54| Comment(10) | TrackBack(1) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月19日

Myriam Faris/Nadini

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惜しいっす!

のぶたさんによれば2004年の「エジプト人が選ぶ最優秀女性歌手」に選ばれたというミリヤム・ファーリスの2枚目のアルバム(2005年)。
1枚目はジャケットが垢抜けないので(笑)聴いていないのですが、少なくともヴィジュアル的には別人のように洗練されております。

で、音なのですが、ディスコとアラブの融合です。
この手の音ってパスカルとかハイファとか、よくあるタイプではあります。アラブ音楽と打ち込みって相性いいし。
彼女の場合、その割合がなかなかいい感じ。
加えてラテン的なフレーバーや、なぜかアルゼンチンタンゴ風なフレーズもあったりして、なかなか面白いです。

そういえば、アラブポップスでラテンぽい曲ってけっこう耳にするような気がするんですが、なんか関係あるのでしょうか?

ルビーやハイファ、マリアなんかより歌うまいし、ナンシーより美人(だとおれは感じます)し、ポストナワールになれる人なんかないでしょうか。

ただ、音的に言うと、ナンシーやナワールにちょっと及ばない感じ。
ディスコを基調にしてるというのもあるし、非ディスコ曲もちょっと下世話な感じがしちゃうんですよね。曲のクオリティよりヴィジュアル重視、というか。
これくらい下世話なほうが一般ウケはいいのかも知れませんが、ミックスとか音色のセレクトとか、もうちょっとだけ工夫すればすごくいいと思うんですけどね。
次作に期待です。
posted by インサック at 00:18| Comment(12) | TrackBack(1) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月14日

Shereen/Lazim Ayeesh

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キレてます!



アラブの歌姫シリーン(シェリーン?)の2ndアルバムです(2005年)。
ファーストの「Garh Tani」もかなり好きで、良く聴いてました。
ファーストを聴いてた時はよくわからずに「あ〜なかなかいいじゃん」と漠然と思ってたのですが、アラブポップスをちょっとは聴き慣れた今は、「かなりいい!」に変わりました。
アルバムのクオリティとしてはそんなに変わらないと思うんですが、実力派の貫禄が出てきたような気がします。
今作のほうがスロー/ミディアムが多いのですが、これがいい。
彼女のアラブ唱法とハスキーヴォイスが堪能できます。
また、アラブポップスの特徴でもありますが、バラード(という言い方が適当かどうかわかりませんが)がだるくない。
しかし歌うまいな〜。なんというか緩急のつけ方とか、ちょっと遅れて歌い出すところとか、微妙にシャープする音程とか、全て意図的に自信を持ってやってる感じがします。そしてそれがかっこいい。自由自在ですね。キレがある。

あと、やはり楽曲と録音とアレンジがいい。前作でも感じたのですが、粒ぞろい。
いいスタッフに恵まれてるんだと思います。ナワールナンシーに並ぶ「今のアラブを代表する歌姫」と言えるんじゃないでしょうか。
ハイファとかマリアとかマルワとかルビーとかとは一線を画す人ですね。当たり前か。

余談ですが、アラブの女性ってグラマーな人多いですね。シリーンのジャケットも谷間がすごいことになってます。
ベリーダンサーも豊満じゃないとかっこつかないもんなあ。そういう価値観・美意識なんでしょうね。ナワールなんてすっごい細いほうなんだろうなあ。タイだと骨太の部類でしょうけど。

のぶたさんのエントリ
posted by インサック at 01:51| Comment(6) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月11日

Shaban/Yatahadda Michael Jackson

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エジプトのおっさんに大人気!なのでしょうか…



一度は聴いてみたいと思っていたシャアバーン・アブドッラヒームのCDがMAQAMで売ってたので、買ってみました。
CDには「2005年」とクレジッドしてあるので、たぶん新譜なんだと思います。

エジPOPレビューで存在は前から知っていたのですが、なぜかCDがない。
彼は「シャアビー」と呼ばれるエジプト庶民の音楽に属するようで、たぶんカセットで流通しているのでしょう。タイで言うモーラムみたいなもので、CDにはそぐわない音楽なのかも知れません。モーラムはCDで普通に流通してますが、まあ雰囲気的に。

で、彼の情報ですが、「本職はアイロン屋」「字が読めない」「『イスラエルは嫌いだ』という身もふたもない歌が大ヒット」という謎めいたものが多いです。
そしてこのCDのタイトル。おれはアジプト語はびたいちわからないのですが、おそらくマイケル・ジャクソンを揶揄しているに違いありません。

音ですが、なぜか全編ライブ録音。観客の歓声がすごいです。
即興で歌っているようないい加減なメロディー、コード進行とリズムを適当に繰り返している演奏、微妙に音程を外しているヴォーカル、いつ終わるとも知れない曲構成。
これはインプロビゼーションなのでしょうか?エジプトのキング・クリムゾンでしょうか?そのわりにはテクニカルではないけど。
ていうか、そもそも音楽なのかな?演説なのかな?演芸なのかな?
とにかくそんな感じの、謎めいててエネルギッシュな音が全64分。
韓国のイ・パクサに通じる部分もありますが、さすがにパクサよりも聴ける。少なくともシャアバーン先生のヴォーカルには言語を超えた迫力というか説得力があります。

しかし、全体的な感想としては「なんじゃこりゃ。」でした。
まあ、ある意味想像どおりの音でしたけど。
う〜んこれは日本人には理解するの難しいかもな〜。

posted by インサック at 17:03| Comment(4) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月09日

Clementine/Long Courrier

clementine.jpg

疲れた日にはこんな感じで。



フランス人シンガークレモンティーヌの1993年のアルバム。
なんでこのアルバムを持ってるのか覚えてないのですが、たぶんCDショップのポイントがたまって1枚無料になった時に選んだんだと思います。
ライナーにあるプロフィールはまあ嫌味で、いかにも「ミーはおフランスのシンガーざます、シェー!!」って感じです。
当時は渋谷系人脈の中で語られていたような記憶もあります。

最近仕事が忙しくて、というか、正確に言うと忙しくはないんですけど、とにかく遅く帰ることが多いのですが、そんな時は最高のアルバム。
あと、夏の暑い日にクーラーをガンガンにかけて聴くと最高。
音は、ふた昔前のおしゃれ。ボッサだったりフレンチポップだったり、そんな感じ。
まあ93年なんで、Andienみたいなキレのあるボッサのセンスもないわけですが、(ていうかボッサの引き合いにAndienはないだろう、わかりにくいだろう)それなりにいい感じです。
特にアルバム1曲めがスティーヴィー・ワンダーの「My Cherie Amour」なんですが、これが「こっちが原曲なのかな?」と思うほど秀逸なアレンジ。アレンジャーは川辺ヒロシ、Tokyo No.1 Soul Setの人ですね。
他にも大沢伸一(モンドグロッソ)、福富幸宏(ハウスな人、m-floのリミックス等)、井上富夫(ルースターズ、ブルートニック、Hobo King Band(佐野元春のバンド))、吉川忠英(ジャズなギターの人、小沢健一「球体の奏でる音楽」に参加)、戸田誠司(Shi-Shonen、Fairchild)、エスパー矢口こと矢口博康(Real Fish、サザン等)、当時の先端の人が多数参加してます。
ていうか、このアルバムほとんど日本人で制作されてるんですね。彼女「変なガイジン」だったのかな?

で、10曲めの「Jeremie」、超名曲です。
戸田誠司作曲なんだけど、やっぱおれこの人が書く曲好きだなああああ。
posted by インサック at 02:21| Comment(8) | TrackBack(1) | 洋楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年12月06日

Cheb Mami/lazrag saani

cheb_mami.jpg

これがライ!?



「ライの貴公子」の異名を持つシェブ・マミのアルバム(2001年)。
ライとはアルジェリアのオラン地方発祥の大衆音楽で、北アフリカのアラブ諸国から旧宗主国のフランスでもポピュラーな音楽なんだそうです。よく知らんけど。
ライナーが全部フランス語なので、彼のプロフィールもよくわかりません。でも、かなり有名な人みたいです。

で、音なのですが、混血具合は相当なものです。ジャズ/フュージョン的なテクニカルな譜割りと曲構成、ヴォーカルの節回しもかなりテクニカルで、独特のリズム感があります。
このデリケートなリズム感覚は、ともすればチャカポコと単純な、良く言えばミニマルなレバノンあたりのポップスとは一線を画す高級さ。アフリカン・ミュージックの影響でしょうか?
それらが曲ごとに違うのではなく(むしろ曲ごとの印象は似通っているのですが)、1曲の中にすごくたくさんの要素が入っている漢字。
前述のジャズっぽさもあればアラブ歌謡っぽい感じもあるし、欧米のポップスに通じる部分もあるし。
日本人の耳からすれば「アラブっぽい音楽」に聴こえますが、中身は相当違います。
何となくムハンマド・ムニール様に通じる格調高さを感じました。

彼はスティングやSamira Saidとデュエットもしたりして活動の幅を拡げているようですが、そういう「世界に通じる」部分は間違いなくあると思います。かっこいいもん。
やっぱハキームのこのアルバムのように「西洋にすり寄る」より、SamiraやMamiのように「基本的には素で勝負」というほうが、結果的に成功するような気がしますね。うん。


posted by インサック at 00:21| Comment(0) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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