2006年04月30日

OST / Apa Artinya Cinta ?

apa_artinya_cinta.jpg

毎度のことながら傑作。



インドネシア映画「Apa Artinya Cinta ?」のサントラです。
全曲作詞作曲Melly、実質Mellyのソロアルバムです。
Ada Apa Dengan Cinta ?」「Eiffel...I'm in love」と同じパターンですね。
Mellyはサントラという形式に何かこだわりがあるのか、自身のソロやPotretとしてのアルバムよりサントラ仕事が異常に多いですね。
今までは、ソロやPotretでは実験的でとんがった音、サントラではポップ路線、みたいな方向性が(漠然と)あったような気がしますが、今回はかなりキてます。
もちろんサントラなので、正面切ってアヴァンギャルドな曲はないのですが、音の端々に大胆なアレンジがされてたりして、今までのサントラ仕事よりも少しソロに近い印象。

また、いつも捨て曲なしのMellyですが、今回は特に名曲揃い。
彼女の持ち味のひとつでもある、ヨーロッパ的なバラードから、ちょっといっちゃってる感じの打ち込み高速ナンバー、いい感じのミドルテンポまで、珠玉です。
前回のソロの時、「Melly風」が蔓延したことによる飽和感と、彼女自身の姿勢が丸くなっているのでは?というようなことを書きましたが、やはり多少模倣されたくらいで彼女の才能が曇るわけではないし、けして丸くもなっていない、ということが、このアルバムでわかりました。
Melly本来の魅力〜疾走感、切なく美しいメロディー、かすれたメランコリックなヴォーカルなどが堪能できる素晴らしいアルバムです。

しかしインドネシア映画って面白いのかな。
「Ada Apa dengen Cinta ?」はなかなかの良作でしたけど。
posted by インサック at 16:57| Comment(3) | TrackBack(1) | インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月23日

Agnes Monica / Whaddup, A' ?!

Agnes_monica.jpg

太い!



前作が相当傑作だったアグネス・モニカのニューアルバム(2005年)。
前作と比べると、洋楽(特に黒人音楽系)の要素が増してます。ヴィジュアルも黒人ぽいし、今回はアグネス自身も制作にかかわっているみたいですし、本人の意向でしょうか。タイトルもヒップホップっぽいし。
インドネシアポップスの特徴である「濡れた」感じはあまりなくて、「弾力がある」感じです。
彼女自身、もともとこんな感じのあどけないルックスで売り出したみたいなんですが、前作・今作みたいなワイルドでスパルタンなイメージに変えて来たというのは、本人の資質なしではできないことでしょう。

で、本作なんですが、元々顔に似合わずドスの利いた声のアグネスの「ドス」部分をさらに際立たせるアレンジになっております。ネシアバラードも普通にありますけど。
普通にあるんですけど、ベクトルが「黒人」に向いてるというか、ネシアっぽさは希薄な感じですね。歌い方も黒人ぽいフェイクバリバリです。
しかしアグネスはインドネシア人ななので、やっぱり黒人そのものではなく、「黒人音楽の要素がかなり強いインドネシアポップス」になっているわけです。それがすごく面白いです。
それに、やっぱりこの人相当歌がうまい。「シンガー」の資質がすごくあって、本人もシンガーたろうとしている。声太いですけど。
いや、声だけではなく、ミュージシャンとして「太い」というか。
女優としての活動もしてるみたいですが、本人は音楽活動のほうがやりたいんじゃないかなあ。
「太い」と同時に切迫感を感じさせるところが独自ですね。日本で言うと椎名林檎みたいな。林檎は声太くないですけど。

今回Keith Martinという人が2曲書いてて、いずれもEMIフィリピンのクレジットがされているので、フィリピン人なんでしょう。曲としてはすっごく洋楽っぽいけど凡庸、という印象でした。
おれが敬愛するMellyも2曲書いてて、これはかっこいい。やはりMellyは天才でしょう。

楽曲のレベルとしては前作のほうが上な感じはしますが、アグネスのヴォーカルはこっちのほうが冴えてます。ポストクリスダヤンティって実はアグネスかも?まだ19歳だし。
posted by インサック at 14:16| Comment(3) | TrackBack(1) | インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月17日

The SIS / The SIS

sis_1st.jpg

う〜ん、やっぱこれが一番いいかも。



先日The SISの最新アルバムのエントリを上げたわけですが、1stを久々に聴きなおしてみました。2002年作。

2作目から最新作までの彼女たちの傾向としては、どんどん大作主義になっているというか、音にゴージャスさと重厚さが増して、曲調としてはバラードがメインになっていってるような印象があります。
最新作はプアチーウィットのカヴァーということもあり、そうでもないですが。

このアルバムは1stということもあってか、わりと勢いを感じます。
よく聴くとアップテンポの曲が多いわけではないんですが、アレンジが意欲的というか。
彼女たちの特質のひとつであるコーラスワークもきれいですし、ギターがかなりフィーチャーされてるし、ブルースやカントリーに通じるようなアーシーなノリもあるし、もろロックな曲もあるし。
なおかつ「いい意味で商業的」というか、いわゆる「売れ線」(タイでの)の音に仕上げてると思います。実際このアルバムがヒットしたから2枚目、3枚目が出せたんだろうし。

完成度という意味では2枚目以降のほうが高いとは思いますが、聴いてて盛り上がるのはこの1stだったりして。
こんな感じのアルバム、また作ってくれないかなあ。このアルバムの1曲目みたいな曲が5曲くらい入ってるアルバム。
posted by インサック at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月15日

The SIS / Pee Nong Rong Pleng Chewit

sis.jpg

1stが一番良かったかな〜。



タイのアーティストとしてはありえないほどのハイペースでリリースしております、The SISの通算4枚目のアルバム(2006年)。

3枚目「Trai」は2005年、2枚目「Sense」は2003年ですが、2枚目と3枚目の間にはメインヴォーカルのPianoが「Dreams」というプロジェクトに参加したり、TongのRS移籍アルバムでデュエットしたりという活動がありましたので、実質毎年何らかの作品をリリースしていることになります。
日本だろと普通のことかも知れませんが、タイでは非常に珍しいですね。
常々思っているのですが、売れてる歌手なりアーティストは、人気がいつまで続くかわからないんだから、勢いあるうちにババッとたくさんリリースすればいいと思うんですけどねえ、人気絶頂なのに解散したりとか、2~3年アルバム出さないとか、海外留学に行くとか、タイの音楽業界って、商業的には効率悪いような印象がありますね。
米国みたいに、サウンドプロダクションにものごっつい手間ひまかけるからリリースタイミングが遅い、というのならまだ理解しますが。

このグループって毎回かなりレベル高いアルバムを作るんですが、今回もいい出来です。
現在のタイポップスは、洋楽化がかなり進んでいる印象があるのですが、彼女たちはそんなトレンドとは一歩距離を置いている感じがします。ていうか、タイ色をかなり前面に出してます。
3枚目ではルークトゥンの要素を見事にポップス化してましたが、今回はそれがより洗練された形で表現されてます。
もろルーゥトゥンぽい曲もあれば、微妙にルークトゥン色が出ているものもあり。
これって、タイ人にはすごく受けると思います。
たとえばトンチャイはルークトゥンアルバムを出しましたが、トンチャイって元々ルークトゥンぽい要素をかなり持っている人だと思うんですよね。それと彼が国民的大スターであることは、なんか関係があるんじゃないかと思います。

このアルバムに関しては、もうちょっとアップテンポで下世話な曲があったらよかったな、と思います。アーティスティックな部分が出すぎたかも。
毎回楽しませてもらってるんですが、今と比較すると荒削りだったけど、勢いがあった1stが一番いいかな〜、という気がしてきました。
久々に聴き返してみようかな。

posted by インサック at 23:16| Comment(4) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月11日

Angham / Omry Maak

angham.jpg

いや〜まいった。まいりました。



ま、おれもけっこうな数のアラブポップス聴いてきましたし、もう大体どんなもんか把握したんじゃないっすかね。
ナンシーの最新アルバムも、だいたい想定の範囲内だったしな、まあこんなもんだろ。
と不遜にもちょっと思ってたんですが、ほんとすみませんでした。自分調子乗ってました。

というアルバム、数少ないエジプトの歌姫アンガームの2003年のアルバム。

彼女のふるふると震える細かいビブラート(というか、フェイクに近い)と共に、ハイクオリティ&バラエティに富んだ楽曲群がすんばらしいです。
いわゆる「チャカポコ系」ではなく、印象としてはユーリムハンマド・ムニールの中間くらいでしょうか。ユーリほどベタではなく、ムニールほど格調高くない。ていうか、ユーリくらいベタな曲もあれば。ムニールくらい格調高い曲もある、という感じでしょうか。

アラブの女性歌手って、けっこう腹から声出してる人が多いような印象がありますが、アンガームはどっちかっつうと腹に力入ってない系?ウィスパーまでは行かないのですが、どこか儚げなヴォーカルで、ほろほろと流れて行くのでした。

また曲が秀逸で、シャンソンあり演歌ありど真ん中ポップスありハウスあり、めくるめく音の万華鏡状態。
相当センスあるスタッフで制作したと見た。
特に3曲目の「Arrafha Beya」という曲は、八代亜紀の「船歌」か、というほど演歌テイストの曲なのですが、アルバムの最後がこの曲のリミックスで、これがかっちょいい打ち込みアレンジなんですよ。
これは、相当音楽的スキルがないとできないのでは。

いや〜まいった。アラブポップス恐るべし。

posted by インサック at 22:44| Comment(2) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月10日

Prince / 3121

prince.jpg

2周目突入。



前作「Musicology」で熱く激しく復活した殿下の最新アルバム(2006年)。
全米1位を獲得したそうで、セールス的にも絶好調ですな!!長年のファンとしてはうれしい限りです。
質・セールス共に、何回目かの黄金期にあることは確かです。

今回のアルバムも非常にいいです。
一時期の高級志向から、いい意味で下世話になったというか、ポップミュージック=大衆音楽としてすごく魅力的だと思います。
なんとなく「1999」以前の感じがあります。
個人的には、プリンスって「1999」以前・以後でだいぶ雰囲気が変わると思うんですが、「1999」以前は、ソングライティングの才能はあるけどちょっと変わった黒人風ロック、といった趣なんですが、「1999」から「Sign of the Times」までは、従来の枠組みをぶち壊すポップモンスターとして恐るべき成長を遂げた、という感じでしょうか。
それ以降はわりと趣味的な音だったり、音の「質」をむやみに追求したりしながら、「Graffitti Bridge」とか「Emancipation」みたいな集大成を節目節目でリリースしてたような印象があります、個人的には。

で、今回のアルバムですが、その「集大成」の「1999以前版」という感じ。
だからと言って内容がしょぼいわけではなく、やはり彼の長い長いキャリアで培ったテクニックやワザが随所に活かされた。「2006年の初期プリンス」になっているわけです。矛盾した言い方だけど。

よく「アーティストは処女作に向かって成熟する」と言われますが、今作はまさにそれ。
全盛期のアルバムにあった「うっひょ〜!!」という興奮はないのですが、これだけ長くやっていて、傑作アルバムを何作もリリースして、まだこれだけの素晴らしいアルバムを出して来るとは、やはり天才としか言いようがありますまい。

そして、改めて思ったのですが、プリンスは「黒人音楽」ではない。
黒人音楽的なフレーバーはあるのですが、それはプリンスの音楽を構成する一要素にしか過ぎず、最終的には「プリンスの音はプリンスの音」であり、ワンアンドオンリーの存在であるわけです。
今回Tamarという女性ヴォーカリストがけっこうフィーチャーされてるんですが、彼女の声は「黒人音楽」かもね。



k.m.joeさん「はじまりはブラックミュージック」のエントリ
posted by インサック at 22:57| Comment(6) | TrackBack(1) | 洋楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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