2006年09月26日

Thee Michelle Gun Elephant / Gear Blues

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Machine Gun Etiquetteと言えばThee Michelle Gun Elephant。



ミッシェルガンエレファント1998年リリースの4枚目のアルバム。
バンド名の由来は、誰かがダムドのアルバムのタイトルを「ミッシェルガンエレファント」と読み間違えたからなんですって。

彼らは、まあパンクバンドと呼んで差し支えないと思います。このアルバムまでは。
5枚目から解散までは、またちょっと違った方向性に行った、というか、まったり気味になったというか。元々チバユウスケはパブロックとかロカとかが好きな人みたいなので、自然な流れだったのかも知れませんが。
それも悪くはないのですが、やはりこのアルバムまでのミッシェルはすごく特異というか、孤高の位置にいたと思いますね、日本のバンドとしては。

音楽のスタイルとしては目新しいものではないのですが、デビュー時はすごく「新しい音楽」という印象がありました。なんか密度が違うというか。
「パンク」というのは人によって解釈・定義がいろいろだと思うのですが、おれ的には音楽の形態ではなく、心の持ちようというか、大げさに言うと社会に対する態度のことじゃないかと思うんですね。
いや、実はそのようなことをClashの誰かが言っていて、激しく共感したことがあるんすけどね。
なので、一般的な音楽スタイルがパンクかどうかということはあまり関係ないんですよね。勘違いされやすいスタイルだとも思いますし。おれが勘違いしてるのかも知れませんが。

で、ミッシェルは音も心もパンクだと思うんですよ。
ていうか、「パンク」ってそれまでの「ロック」に対する概念であって、用は主流に対するカウンターのことなんですよね、たぶん。
乱暴な例えですが、ジャズはクラシックやオペラに対するカウンター、R&Bはジャズに対するカウンターだったんじゃないかなあ。
そういう意味で、ミッシェルがデビューした時の状況としては、J-POPに対するカウンターだったのかも知れません。

今聴いても痛快ですね。あくまでも初期衝動に忠実な音、初めてギターを買ってディストーションかなんかエフェクターを買って、スタジオに入ってデカい音で「ぎゃーん!!!」と鳴らしたあの感触、あの興奮をそのまま音楽にしちゃってる。
そして、やっぱチバが天才詩人なんですよね。
あんまり意味ないように聴こえる歌詞なんですが、これまた「あの感触」をしたたるように感じさせる言葉のセレクション。

そんな感じです。



ラベル:パンク TMGE
posted by インサック at 23:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

The Damned / Machine Gun Etiquette

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ウィラードと言えばダムド。



逆か。

ウィラードに多大な影響を与えたバンド。
ダムドというバンドも音楽的変遷とかメンバーチャンジとか解散→再結成とか、紆余曲折が多いバンドです。そのへんはウィラードもそうですな。
おれはどっちかというと初期が好きですが、中期のThe Black Albumとか後期のファンタスマゴリアとか、名作が多いです。
このアルバムは初期、サードアルバムです。(1979年)。
ファーストの邦題「地獄に堕ちた野郎ども」(笑)も捨てがたいですが。

このバンドのスピード感たるや、ものごっつい。「早い」ではなく(十分早いですが)「スピード感」です。
このスピード感を体現できたのは、他にはウィラードだけと言ってもいいでしょう。
ていうかドラムが走ってる(笑)。
「走ってる」というのはバンド用語で、リズムがジャストより前に来てるという意味です。一般的には「下手」と同義語と考えていただいてけっこうです。
しかし、しかしダムド(とウィラード)においてのみ、ドラムは走っていなければならないのだ!!!!1!!

ドラムの人はラット・スキャビーズという名前なのですが、ウィラード結成時にJUNが「ラットみたいなドラム求む」とメンバー募集をかけて、応募して来たのがKYOYAだったらしいです。まさにラット・スキャビーズばりの走るドラム。
話がそれますがKYOYAは今ラフィンのドラムなんですね。

まあその「走るドラム」がダムドの最大の特徴であり魅力であると思うのですが、その他にも凝ったアレンジ、いい加減な演奏(笑)、ポップなメロディ、人を食ったような嘲笑うようなユーモア、バッキングなんだかソロなんだか、もうなんだかわからないキャプテン・センシブルのギター、ダムド最高。
クラッシュ、ピストルズと共に「3大パンクバンド」とも称される彼らですが、確かにパンク、特にこのアルバムは最高にパンキッシュ。
でありながら音楽的にも非常に高度で、しかもこれ考えてもできないっすよ。
「考えてできる」音楽もあるし、それはそれで好きなんですが、ダムドは持って生まれた資質がないとできないなあ、たぶん。
「こういうのかっこいいべ?」「お〜かっこいいじゃん!」みたいなノリで全てが成り立っているというか。
才能ない人がノリだけで音楽をやるとたいてい駄作になるのですが、ダムドはスリル!スピード!サスペンス!ですよ全く。どういうことですか。フォロワーが出ないのもよくわかります。
ていうか、それなりに後世に影響は残してるとは思いますが、でもみんな真似できなかったんだなあ。

1曲目「Love Song」、わずか2分21秒のジェットコースター、そして2曲目のタイトルチューン、1分48秒のハリケーンを皆様も体験してみてはいかがでしょうか。


posted by インサック at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 洋楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月18日

The Willard / Good Evening Wonderful Fiend

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80年代日本語ロックの歪んだ金字塔。



日本のインディーズがある程度一般に認知されたのは、このウィラードや有頂天、ラフィンノーズ等が台頭してきた80年代後半あたりだったと思います。
有頂天は解散し、ヴォーカルのケラは今やケラリーノ・サンドロヴィッチとして日本演劇界で活躍するとは思ってませんでした。まあ当時から演劇活動もしてましたけどね。

で、恐るべきことにウィラードとラフィンノーズは今もメンバーチェンジを繰り返しながら存続しているのですね。
ラフィンは当時からそんな趣味じゃなかったので聴いてませんが、ウィラードは1997年の「Tallyho」から実に9年ぶりの新譜を出したようです。

で、このアルバムですが、1985年当時のインディー界では異例の2万枚のセールスを記録したもので、CDで再発されたものです。今聴いても彼らの最高傑作だと思います。

とにかく世界観が異質。
この楽曲群で描き出される情景は、海賊やサイレンに追われる逃亡者や、墓地や荒地をさまよう放浪者や、日本人に馴染みのある感情や設定は微塵もありません。
というか、抽象的に暴力衝動やタナトスへの傾倒を表現したものですね、全曲。全曲ですよ!?
しかも彼らのこの後のアルバムもほとんどそんなテーマの曲ばかりで、童話の残酷さやヘルズ・エンジェルズ的なバイカーだったりというバリエーションはあっても基本的には一緒。
完全に虚構のダークな世界観を構築しており、こんなんでよく20年以上もやってこれるわ、と感心します。
(と言っても活動休止期間も長いのですが)

しかしこのめちゃくちゃな疾走感、独自の世界観、圧倒的にパンクな演奏、高揚感あづれるメロディライン、そしてどんなにダークでもポップを失わないJUNのヴォーカル、録音や演奏はけしてクオリティ高くはないのですが、「金字塔」と呼ぶのにふさわしい名盤だと思います。
やはり世界観が圧倒的に万人に好まれないものだからセールス的に長続きしなかったんだろうなあ…
posted by インサック at 15:12| Comment(5) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月13日

Amr Diab / Allam Alby

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アムルはすごいと思いますよ。



少し前にエジプト人と思しき方から「偉大なアムルを『おっさんアイドル』と呼ぶな!」とお叱りを受けてしまったのですが、そのアムル・ディアーブの2003年のアルバムです。
初めに断っておきますが、アムル・ディアーブはトータル的にすごく優れた音楽を作る人だと思いますし、老若男女を問わないポピュラリティーを獲得しているエンターテイナーとして、おれは非常に高く評価しています。
似たポジションにいる人に、タイのBirdことトンチャイ・マッキンタイアという人がいますが、両者とも、もう好き嫌いを超越して評価せざるを得ないステージにいると思います。

この次のアルバム「Lealy Nahary」が出た時に、
「前作(=このアルバム)のほうが良かった」という意見をいくつか見かけたような記憶があるのですが、なるほどこっちのほうがいいです。
なんと言うか、青臭い表現ですが「魂こもってる」というか、どの曲にも圧倒されるというか、圧力を感じます。
と言っても、曲としては別に重苦しいわけではなく、むしろアラブポップスの中でもかなり聞きやすい部類に入るアレンジがなされているのですが、やはり彼のヴォーカルでしょうか。
想像ですが、アルバム制作時の精神状態がかなり良かったんじゃないですかね、「Lealy Nahary」との比較ですけど。

トンチャイにも共通することですけど、真の意味での「ポップ」を体現し、かつ迫力も併せ持つといいますか。
ムハンマド・ムニールほどアーティスティックではなく、カーゼム・サーヘルほど求道的ではなく、ハキームほどアクはない、しかしそういう消去法の果てで突き詰めた結果が真の「ポップ」である、ということでしょうか。

そもそも音楽の基礎体力がないとこんなんできませんわな。
アムル歌うまい。



posted by インサック at 01:06| Comment(5) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月11日

Christina / Red Beat

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得意分野ではないのですが。



クリスティーナについて何か言ったことは今まで一度もないと思いますが、一応聴いたことはあります。これは1994年のアルバム。

タイポップスを聴き始めた時に衝撃を受けたのは、Silly Foolsの「Mint」、Mr. Teamの「Money Money」、Aonの「Luuk Aon Tiaw Laa Sut」、Triumphs Kingdomの「TK Vision」あたりだったのですが、Mr. TeamのライヴVCDにティナーがゲストで出ていて、「パイ・ドゥアイ・カン・ナ」を歌っていて、これが非常にかっこよかったので、この曲が入ったアルバムを買ったのがこのアルバムなわけです。
タイポップス聴き始めに非常に参考にしていたサイト(今でも良く見てますが)「Happy P-Bird」でも「この3rdアルバムこそ彼女の珠玉・入魂の1作」と高評価だったこともあります。
タイポップスってレビューが非常に少ないし、購入の参考になる情報って少ないですよね。
おれがこんなしがないブログを細々と続けているのも、情報の少ないジャンルのCDを購入する人がいたら少しでも参考になれば幸い、と思っているのも少しあります。大部分は自己満足ですが。

と前置きが長かったですが、このアルバム、ひとことで言うと「ちょっと前のタイポップス」。
まあ実際もう10年以上前の作品なんでしょうがないのですが、ちょっと音がチープでセンスが古い。それが味とも言えますが、どうしても「予算なかったのかな…」的な感覚に襲われてしまいます。
というのは、Mr.Teamのライヴではあんなに輝いていた「パイ・ドゥアイ・カン・ナ」が……
て感じなんです。
この曲は「Cheer」というプロジェクトのコンサートでZAZAとバブル・ガールズが歌ってたんですけど、それもなかなか良かったんですよね。
曲が良くてもアレンジでこんなになるのか、と思いました。

ティナーは、リリース間隔が空きがちですが最近もアルバムをリリースしてますし、今でも現役のエンターテイナーであり、90年代のタイポップスをリードしてきた人でもあるのでしょう。
2000年に入ってからのアルバムは、音作りもちゃんとしてるんですが、なんかまともに聴く気がしないのですよ。
同様にMaiとかAmpとかも、タイではすごく人気があるし長く活動してる人なんですが、個人的にはいまいちなんですよね〜。なんでか自分でもわからないんですけど、タイポップスとしてベタすぎるのかなあ。
まあ好みは人それぞれですからね。


posted by インサック at 22:46| Comment(2) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月07日

Elvis Costello & The Attractions / All This Useless Beauty

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いいアルバムです。



エルヴィス・コステロの1996年のアルバム。数えたらコラボレーションを除けば17枚目のアルバムのようです。

おれはこの人大好きです。
ヴォーカリストとして、音楽家として、かなりすごい。プリンスくらいすごい。と思ってます。
R&B、パンク、ニューウェーヴあたりをベースとした音作りで、一聴するとオーソドックスだけど。とにかく楽曲として素晴らしい。
アレンジもツボを押さえたにくいヤツで、いわゆるロックリスナーの琴線に触れまくりです。

また、彼のアルバムはどれもクオリティが高く、いわゆる「はずれ」はほとんどありません。
時々趣味に走った非ポップアルバムを出しますが、これは好みが分かれるところですね。

ということで、アルバムとしてはどれも甲乙つけ難いです。
おれ的最高傑作は「Blood & Chocolate」なんですが、他のアルバムとは僅差です。最新アルバムの「The Delivery Man」も良かった。

コステロは1954年生まれなので、現在52歳。このアルバムを作った時点で42歳。
しばしばロックミュージックは「青春の音楽」みたいな形容をされますが、それは嘘だと思います、このアルバムを聴いていると。
得てして自分の年齢と折り合いをつけられずに表舞台から去り、趣味的な音楽を限られた人たちに届けることで充足してしまうミュージシャンがいますが(商業的な事情もあると思いますが)、いくつになってもスタイルを変えつつ、音楽的にも商業的にも成果を出し続けるコステロはすごいと思います。


posted by インサック at 00:05| Comment(2) | TrackBack(0) | 洋楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月04日

Silly Fools / FaTLIVE:V3

SILLY_V3_2.jpg
SILLY_V3_2.jpg

やっつけベストを出すくらいならこれを再発すべき。



ごぶさたしております。

2002年12月21日、フアマーク・インドアスタジアムで行われたSilly Foolsのコンサートの模様を収めたライヴ盤です。

当時おれはタイに住んでいたのですが、このコンサートの開催日にたまたま友人がバンコクに遊びに来ておりました。
おれはsillyの真夜中のパブライブには何回か行っていたので、「おれが好きなバンドのライブが今日あるんだけど、行く?」という軽いノリで行くことにしました。
しかしフアマークに着くとかなりの賑わい。
係員に「券ちょうだい」と言うと「モットレーオ(売り切れました)」と当然のように返されました。
パブライブがサクッと入れたのは、中高生やまじめな大学生諸君が真夜中に出歩けないからであり、Sillyの人気がいまいちなせいではなかったのです!!

…という思い出があるのですが、とにかくこのコンサートは彼らの最初で最後の本格的な大規模ソロコンサートであり、貴重な記録であると共に「Juicy」までのベスト盤的な選曲でもあり、ゲストありと盛りだくさん&お得な内容となっております。
演奏自体はスタジオ盤の緻密さよりかなりラフで(当たり前か)、特にトー君のヴォーカルは最初の数曲はかなりシャープしてたりもしますが。

個人的には「King Size」が一番好きなので、願わくば「King Size」リリース後にこんなコンサートをやって欲しかったです。

最近、解散に伴い商魂たくましいグラミーさんがやっつけベストを出されたようですが、そんなもん出してるんだったらこれを再プレスしていただきたいです。
…と思ったらfukuさんは普通に購入できた様子ですし、eThai CDでも「new」マーク付で売ってました。再プレスされたみたいですね。めでたしめでたし。


posted by インサック at 21:48| Comment(2) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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