2006年10月29日

Ratu / No. Satu

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かーわーいーいー。



今インドネシアではたいそう流行っているのではないでしょうか、女子デュオRatuのセカンドアルバム(2006年)。

ファーストアルバムもかなりの傑作だと思いましたが、詰めの甘さがあったのですが、今回はもう完全無欠のポップミュージックを、ツボ押さえまくりまくりのプロダクションでお届けされてしまいました。

前作のヴォーカルのPinkanがかなりアクの強い人で、それはそれで個人的に好きだったのですが、このアルバムはMulanという人がヴォーカルで、一般性は増した感じですね。いずれも歌うまいです。

現地では「Teman Tapi Mesra」という曲が大ヒットしたみたいですが、いい曲ではあるのですが、アルバムの中ではむしろ凡作。1曲目の「Lelaki Buada Darat」とか4曲目「Seribu Cinta」、タイトル曲「No.Satu」とかのほうが好きです。

前作はアメリカンな香り漂うざっくりしたアレンジが魅力だったのですが、今回はガールポップぽいというか、80年代の英国のポップバンドに通じる感触がありますね。
どの曲も音楽的に「かわいい」。例えばXTCとかThey Might Be Giantsみたいな感覚を感じます。彼らほどひねくれていないですけど。

ヴォーカルの個性による部分も大きいですが、作曲・アレンジ・大部分の楽器をこなすMaia Ahmadの力量がジャンプアップしたような気がします。
前作では旦那のDaniの貢献がかなりあるのかな?と思ってたのですが、これはもうMaiaの力量なんじゃないでしょうか。
曲の幅が拡がって、軽快なロックチューンを中心に、ちょっとアヴァンギャルドな曲あり、情念渦巻くバラードあり、どれも聴きごたえあります。こりゃ売れるわ。
ていうか、インドネシアのリスナーのセンスがいいってことでしょうね。
今に至るまで、インドネシアのCDで「あ〜失敗した。買わなきゃよかった」って思ったことないですからね。



posted by インサック at 22:37| Comment(7) | TrackBack(0) | インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月28日

Angham / Bahibak.. Wahashteeny

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再びまいりました。



エジプトの女性歌手、アンガームのサードアルバム(2005年)。
前作が非常に素晴らしかったわけですが、これもまた素晴らしいです。
何が素晴らしいかというと、まずはアンガームのヴォーカリゼーションが素晴らしいです。
せつせつとしながら歌い上げず、抑制しながらスムースに流れる。
細かいフェイクに彩られた彼女の歌声は、とても美しいと思います。
バックの音は、現在のアラブポップスの売れ筋(NawalDianaNancyとか)をそれなりに踏襲していますが、生楽器成分が多少多め。しかも昔のヨーロッパっぽいというかクラシックぽいというか、何となくファイルーズを思い起こさせるレトロさがあります。
これがまたアンガームの声とマッチしています。個人的にはもっとアコースティックなアレンジで聴いてみたい気もします。

売れ筋王道アラブポップスもいいのですが、こういう芸術性が高い感じの歌もいいです。

しかしこの人、どんな顔してるのか未だにわからない。
アルバムによってルックスの変化が非常に激しいです。

posted by インサック at 13:09| Comment(2) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月24日

The Willard / Who Sings a Gloria ?

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当時の流れからするとバッチリの内容。



とりあえずウィラードはこれでひと区切りです。
実は東芝EMIからデビューから3枚目までが一気に再発されて大人買いしただけなのですが。

インディーズでの「Good Evening Wonderful Fiend」の記録的なセールスを経てのメジャーデビューアルバム(1986年)。

「Good~」はやみくもな疾走感と圧倒的な世界観の構築が衝撃的だったのですが、やはりインディーズなのでレコーディング技術的にしょぼい部分があったのですが、このアルバムはさすがメジャー、音が整理され格段に聴きやすくなっております。
やはりメジャーに行くってこういうことだよね、と当時激しく納得した記憶があります。
いい機材で金かけていい音のCD(というか当時はアナログレコードですが)を作って、インディー(今でこそインディーズのままヒットする人もいますが、当時は流通や露出の問題がありました)では届かない人たちにまで届けようとする意志ですよね。
てことで、数段ゴージャスになりつつも持ち味はなくさないウィラードでした。
また、曲がおそらく全部書き下ろしなのにクオリティ高い。
インディーズの頃に数回ウィラードのライブに行ったんですが、このアルバムの曲は全然やってませんでした。
逆にCD化されていない名曲が多すぎ、とも言えます。
たとえば「Punx Sing a Gloria」という初期の名曲があるのですが、それは現在入手できるCDには収録されていません。
昔「Gone With the Wind」というベスト+アウトテイクス集みたいなアルバムが出て、そこには入ってましたが、廃盤です。
実はこのアルバムのタイトルもその曲から来ているのですが。
他にも「Soldier Song」「Stinky Vice」など、すげえ曲あったなあ。
ま、歌詞的にレコ倫通らなかったんでしょうけど…

とにかく、「Good~」から1年足らずでこれだけの曲を作ってしまうJUNのソングライティング能力恐るべし、ですね。相変わらず音のセンスいいし。

実は次のセカンドアルバムから、ウィラードは長い迷走期に入っていった、といか常にメンバーチェンジや活動停止で迷走じゃない時期のほうが珍しいんですよね。
そういう意味でも、数少ない「迷走期じゃないウィラード」のアルバム。音にも迷いがありません。
posted by インサック at 22:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月15日

The Willard / The Legend Of Silver Guns

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音楽性が高いのよ。



ウィラード、1987年リリースのメジャー2ndアルバム。

このアルバムは、次の段階を目指す彼らの試行錯誤的なアルバムだったように思います。アルバムのタイトルチューンがインストというのも、当時のインディーズブームに乗っかっただけのバンドとは違うんだ、という意気込みを感じます。

美意識というか世界観は相変わらずダークなものですが、ホラー的なものから寓話性、残酷さと裏腹の朗らかさ(おれたちゃ海賊やっほっほ、みたいな)まで、ちょっとだけ拡がった感じがします。
曲調がかなり多彩になり、ダムド的疾走感からドアーズ的サイケ感、ホーンやキーボードの大胆な導入とか。元々彼ら(というかJUNこと帯賀淳)の資質だったと思うのですが、それらがようやくはっきりと表現されてきた、という印象があります。

そんな実験作だから、ということもあるんでしょうが、音作りがかなり繊細に作りこまれていて、ウィラードの歴代のアルバムの中でもかなり神経質な感じがあります。
インディーズ時代から他のバンドとは一線を画した高い音楽的センスを持っていたと思うのですが、やっぱイケイケだけだとミュージシャン的には飽きちゃうんでしょうね。いろいろやってます。
曲構成も凝ってるし、曲調の幅も広いし、細々したアレンジも実験精神とポップセンスにあふれています。

ところどころやりすぎ、というかミスジャッジな部分(笑)も見受けられるのですが、バンドアンサンブルのかっこよさで聴かせ切っちゃう底力。

ただ、意識的に「売れよう」とは考えてないですよね。このへんがJUNの開き直れない弱さ、というか、どうしてもメジャーになれない理由があるんじゃないかと思います。まあ本人も承知でしょうが。
ソングライター/アレンジャーとしてはポップな資質を持っている人だと思うんですよね。むしろプロデューサーとしての道を進んだほうが良かったのかもしれない。
でも「現役」を退いて裏方に回ってそこそこ成功するよりも、死ぬまでライブハウスで高笑いしたいんだろうな。


posted by インサック at 22:30| Comment(4) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月11日

The Willard / The Town in Destiny

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ここでブレイクするべきだった。そしてその可能性はあった。



マイブーム中ですので、アクセス数が減ろうともウィラードが続きます。

1998年発表のメジャー3rdアルバム。
メジャーに移ってからは1stが元PINK(というか当時は現役でPINK)の岡野ハジメプロデュース、2ndはセルフプロデュース(キーボードでやはりPINKのホッピー神山が参加してますが)、このアルバムはわたくしが敬愛する音楽家土屋昌巳師匠がプロデュースです。
ミックスは当時スライダースのリミックスとか、やたら日本のバンドにかかわってたMicheal Zimmering。
当時は「マイケル・ツィマリング」だと思ってたんですが、今見るとなんかドイツ系ですね。英語だと「Michael」だしね。ひょっとして「ミゲール・ズィマーリン」なのでしょうか。適当ですが。

土屋さんは、おれは作曲家・ギタリスト・ヴォーカリストとしても好きなのですが、プロデューサーとしてもかなり好きです。プロデュースするミュージシャンの持ち味を最大限に引き出し、自分の趣味ややり方をゴリ押ししないスタンスが。確かブランキー・ジェット・シティーやこひるいまき(←なぜか変換できない)かほるその他たくさんのプロデュースもしてたと思うのですが、いずれもいい仕事してたと思います。
多少なりとも音楽活動の経験がある人ならわかると思いますが、自分の頭で鳴ってる音やライヴのノリをそのまま録音物にするのはすごく難しいんですよ。絶対「なんか違う…」ってなっちゃうんですけど、土屋さんはそういうギャップを縮める手法を知ってるんだと思います。
「ここでギターがガーンといって、ホーンがピャーと入って、最後ドラムがグワラゴラガキーンって感じにしたいんです」
と言えば、ガーンでピャーでグワラゴラガキーンという音にしちゃうんだと思います。

そんな土屋さんプロデュースの今作、JUNは「これだ〜!!」って思ったんじゃないかな。1曲目の「Ghost Town Gang」からして有無を言わせぬドライブ感のままホーンが効果的に使われております。
インディーズまでのWillardはまんまダムドでしたが、ここに来てドアーズやロキシー・ミュージック的なグラムなテイストまで芸域を広げています。しかしパンクの疾走感はそのままキープ。

しかしこのアルバムまで在籍していたギターのSHIN、いい仕事するわ〜。
確かこれを最後に脱退、willardもレコード会社を移籍したりして迷走を始めたような気がしますが、この布陣で売れてたらウィラードの歴史もだいぶ違ったのかも。
おれの中では、高野寛やミスチル、L⇔Rあたりから日本の音楽業界(ていうかリスナー)が変わってきて、スピッツのブレイクから明らかに「かっこいい音楽が売れる確率」が高くなったような気がするんですよね。
そういう状況があれば、ウィラードもブレイクしたかもしれないのに!JUNが袴田くんばりのアイドルになったかもしれないのに!



posted by インサック at 00:08| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月10日

The Willard / My Sweet Journey

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これ、売れると思います。



ウィラード9年ぶりの新作、聴きました。

世界観は相変わらず…と思ったのですが、今回はだいぶ明るいです。亡霊とか屍とかはなしで、どっちかっつうとアメリカンなカラっとしたタームが多いです。
このアルバム自体がロードムービーのサントラをイメージして作られたそうですし。

しかし普通にかっこいい。録音もいい。
昔のウィラードのかっこよさを骨太にしてアクを抜いたというか、いい意味で一般性もあるし、巷のいわゆるJ-POP(と言っても最近ほとんど聴きませんが)に比べても遜色ないメジャー感、しかも本物感があるというか。
彼らを取り巻く状況(特に商業的な部分)はけして良くないと思うのですが、ここまでのクオリティの作品を作り上げるとは恐るべし。

これ、普通にプロモーションしたら普通に売れると思うのですが…
でも売れないんだろうな。そもそも接触機会がないもんな。

DVDもついているのですが、収録されている「Uruwashino Baby」のJUNかっこええ〜。もう40過ぎてるのに、いまだにシルクハットかぶって手袋して、パンクに年齢は関係ないと思いました。
ていうか、パンクって最近の若い人聴かないよね。メタルと並んで「死語」ならぬ「死ジャンル」だよね。
人間の快感原則に最も忠実な音楽ジャンルはメタルとパンクだと思うのですが、そういうのがすたれて頭脳的なロック(良く知らないけどフランツフェルディナンドとか?)や、あるシチュエーションを前提とした音楽(良く知らないけどクラブでかかるのが前提みたいなやつ?)が主流になるというのは、なんなんでしょう。
あ、だからウィラード売れないのか。
もう当時の現役が買うしかないな。「80年代ヒット曲のコンピ」とか聴いてる場合じゃないですぜ、あの時ガーゼシャツ着てた少年少女諸君。









posted by インサック at 00:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月02日

Ratu / Bersama

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カラッと本格派。



インドネシアの女性デュオのデビューアルバム(2003年)。
ジャケット上がヴォーカルのPinkan、下がその他楽器およびプロデューサーのMaia。MaiaはDewaというグループのAhmad Daniの奥様で、Daniもこのアルバム制作にかなり関わっているみたいです。

今はヴォーカルがMulanという人に変わっているみたいです。
Teman Tapi Mesra

この「Teman Tapi Mesra」という曲、youtubeに山ほどアップされており、リンク先の動画は今の時点でViews:76,278、Comments:49。
これは現地でめちゃくちゃヒットしているのでは?
ssjさんによればけっこうパワープレイ になってるみたいです。
確かにこの曲いい。一聴すると普通のポップスに聴こえるけど、ツボついてます。抑え目で打ち込みと生楽器のバランスがイカした導入部からサビでは気持ちよく盛り上げ、しかもしつこくない。
しかも誰にも似ていない。強いて言えばロクセットか。
最新作が激しく欲しくなりました。

Pinkanもソロで作品を出しているようです。
Cinta takan usai

さてこのアルバムですが、どことなくアメリカンな雰囲気漂うカラっとした出来。
おれが好きなインドネシアのアーティスト、例えばMellyとかAndienは、どっちかというと憂いを含んだ欧州の雰囲気なのですが、Ratuのこれはメジャー感があって珍しい。
またPinkanのヴォーカルがかなり個性的で、ソウルフルなんだか演歌なんだか、ジェームス・ブラウンというと言いすぎですが、ああいうノリの迫力があります。
で、Maia(とDani?)の音作りが、センス良すぎずベタ過ぎず、ポップミュージックとして絶妙。
ただ、キーボードのアレンジがところどころ不用意というか適当に作ってある(ように聴こえる)部分があって、そこだけが惜しい!
しかし前出の曲ではそういう詰めの甘さも解消されているようです。

スケール感のある曲が多くて、聴いてて爽快ですね。なんだかんだでつい聴いてしまう軽い中毒性があります。
アメリカンハードロック的というか、快感原則に忠実というか、「AメロBメロと来てサビでトッカーン、ブリッジでソロを挟んでブレイク、再度サビ、半音高く転調してフェイドアウト」みたいなお約束が気持ちいい。
売れるわこりゃ。
posted by インサック at 22:40| Comment(2) | TrackBack(0) | インドネシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年10月01日

Ezra / Ezra

ezra.jpg

タイ人にはどう聴こえてるんでしょう?



このところ非タイのアーティストを連続して取り上げたら、アクセス数がめっきり減りました(笑)。

だからというわけではないですが、タイのインディーズのバンドです。Butterflyというレーベルから出ています。

1曲目が英語詩なのですが、なんか発音がタイ人ぽくない。2曲目はタイ語ですが、これもなんか発音的に違和感ある。なんかネイティブっぽくないというか。ヴォ-カルの女性はAkiさんという名前で、なんか日本人ぽい名前だなあ。まさか日本人じゃないよね、と思ってライナーを見たら、Akiさんのフルネームがタイ語で「アキ ヤーマークーチー」って日本人じゃねえか!!

ということでヴォーカルは日本人女性のようです。
なぜ日本人の女性がタイ人とバンドを組んでインディーズでCDを出しているのか?まあそういうこともあるか。

1曲目は90年代前半〜中盤の英国のバンドを彷彿とさせます。EchoberryとかLushとか。

他の曲もスケール感のある曲やベタな8ビートなど、いろいろ取り揃えております、って感じですね。ハードな曲はSilly Foolsの影響が感じられます。
いや〜達者達者。
しかし達者すぎて味がないというか、

Aki嬢のヴォーカルは、発音もありますが、やっぱり日本人ぽいというか、タイのウェットさとはまた違うウェットさがありますね。日本語詩の曲に特に強く感じます。
日本ぽいウェットさ、「演歌っぽさ」と言ってもいいですが、個人的にはあまり好みではないのですが、タイ人にはどう響くんでしょうか。
もしグラミーあたりがこういうバンドをデビューさせたら、「日本のカルチャー好きな層(これは確実にいます)を狙ったのかなあ…」と思いますが、これインディーだしなあ。Akiさんがアサンプションあたりに留学してて、大学の友達のバンド組んだのかなあ。
タグ:ロック タイ
posted by インサック at 14:20| Comment(0) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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