2008年09月28日

Suki / finally | akhirnya

suki.jpg

商品として素晴らしい。



「マレーシアのグラミー賞」的な音楽祭「AIM」の2008年度<最も期待される新人>に選ばれたSuki Lowのデビューアルバム(2008年)。
AIM2008の結果はアサ・ネギシさんのブログに載ってます。こちら。
AIMのサイトには載ってません。不思議。

このsukiというYOSHIKI似の女性、中華系らしいのですが、アルバム収録曲はマレー語と英語半々くらい。
曲の方は、現在のポップミュージックの「売れ線」の要素を全て詰め込んだというか、これは売れるでしょ、という感じです。
ラップやリンキンパークみたいなエディットされたディストーションギターもあればアヴリル・ラヴィーンばりのストレートなパンク風ロックンロール、ちょいダサなバラードと、ツボを押さえた曲が絶妙のアレンジとサウンドプロダクションで展開されています。
sukiのヴォーカルは、突出した個性はないのですが、曲にマッチしたエモーションとテクニックを持っています。
「商品」としてはすごくクオリティ高いと思います。

こういう「産業ロック」みたいな音って、相当の力量がある人が作らないと聴くに耐えない退屈なものになりがちなのですが、このアルバムはすごいです。「商品」という意味で、買って「損した」と思う人はほとんどいないのではないでしょうか。
逆に、実験的な要素や音楽的な新規性は全然ないのですが、そんなものを望むのは一部の音楽マニアしかいないのが現実でしょう。
個人的には挑戦的な音の方が好きなのですが、ここまで完成度の高いものを作ってくれれば文句ないっす。

ところで、非マレー人のアーティストがマレー語で歌うというのは、Karenなんかもそうですね。
ボルネオ行きの飛行機(マレーシア航空)の機内誌によれば、Karenは大きな成功を収めたそうです。
また、ミリのCDショップではインドネシアのアーティストのCDがけっこうあったのですが、ちょっと前までマレーシアでインドネシアのCDはそんなに売ってなかったと思います。
最近はこの2国間の音楽市場のボーダーレス化が進んでいて、マレーシアのアーティストがインドネシア1億8千万人の市場も狙える状況が生まれてきて、それでマレー語で歌う人も増えているのかな?と思いました。


AIM15 (2008年)のステージで歌った「Berdiri」。
スター性を感じます。

posted by インサック at 14:00| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月27日

Ning / East To West

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欧州ぽいです。



ボルネオでゲットしたCD、Ningの世界デビューアルバム(2008年)。
正確にはヨーロッパで発売されたみたいです。全曲英語詩(当たり前か)。
彼女はソウルを歌うことが多いのですが、このアルバムは欧州市場を意識してか、Roxy Musicやジョン・フォックス在籍時のULTRA VOX、Human Leagueなどを思わせる哀愁デカダンエレポップ風味になっております。
敢えてこの音を選んだというのは、Ningも含めた作り手のこだわりがあるんでしょう。
すごくヨーロッパ的な音だと思いますが、最近こういう音ってめっきり聴かなくなりましたね。
最近の英国の音楽ってどうなってんのかな?とBBCのチャートを見たら、1位メタリカ、2位Neyo、3位Rihannaでした。米国と変わりませんね。
Rihannaは意外に欧州っぽい音と言えるかな?

80年代はあんなに隆盛を誇った英国エレポップですが、現在の英国のミュージシャンは、マンチェブームあたりからバンドサウンド一辺倒になっているような印象があります。
そんな状況の中で、このアルバムは非常に新鮮。
世界デビューにも関わらず、音楽的実験性にもあふれた、攻撃的なアルバムだと思います。
Tata Youngの世界デビュー盤なんて、保守的すぎにも程があると思いましたけどね。日本では売れたみたいですが。

Ningにとっても、このような今までと全く違う音楽性に挑戦するのは冒険だったと思いますが、ウィスパーヴォイスなども交えつつ、表現の幅を拡げるのに成功していると思います。
音的にも、80年代英国エレポップの流れを汲みつつ、リズム的には2000年以降のセンスが導入されていたりして、ノスタルジアに流されるわけではありません。
狙いどころは決して悪くないと思いますし、欧州でPerfume的に(突然変異的に)ヒットしてもおかしくないと思います。



ファーストシングル「age of Population」。
普通に世界レベルでかっこいいです。


posted by インサック at 15:54| バンコク ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月25日

Dayang / Kasih

dayang_kasih.jpg

島の名盤です。



先日東マレーシア(ボルネオ)のグヌン・ムル国立公園というところに行って大自然に驚愕してきました。
コタキナバルからムルに行く途中、ミリという町で飛行機を乗り換えたのですが、その時に買ったCD(2005年)。
ダヤンのこのCD、Dayang Sayang Kamuの後にリリースされたことは知っていたのですが、長らく入手できずにいました。
しかし、さすがダヤンの故郷サラワク州のCD屋、長年探していた(と言ってもたま〜に通販サイトをのぞくくらいですが)このCDもちゃんと置いてありました。ありがとうミリのCD屋!

アルバム収録曲の半数はマレーシア近代音楽の父P・ラムリーの曲で、後の半分は「Copyright Controlled」と書いてあります。
これは「作曲者不詳だけど、著作権はどっかの企業とか国とかに管理されています」という意味だと推測しているのですが、英語的にはどういう意味なんでしょうか?

ともあれ、往年の名曲をダヤンがクラブシンガーのようにムーディーかつエレガントに歌う、というコンセプトのようです。
アレンジは、誤解を恐れずに言えばSadeみたいな格調高い大人のジャズ・ソウルテイスト+ラテン主体。何曲かはレトロなアレンジになっており、むせびなく濃厚なマレー歌謡を堪能できます。

このように、昔の曲をジャズ/フュージョン/ソウルを基調としたトーンでリアレンジすると言うのは、Sheila Majidの「legenda」と同じコンセプト、とも言えますが、SheilaもDayangも、ラムリーの曲のマジックなのか、シンガーとしての本質的な部分が最も良く出ていると思います。
逆に、こういうスムーズなトラックだと、ヴォーカルの個性が確立されてないと、箸にも棒にもひっかからない感じになる可能性大だと思います。

しかし、このアルバムのバックの音はすごく良く作られています。
バンドアンサンブルがすごくかっこよくて、楽器を弾く人だと更に楽しめるんじゃないでしょうか。所謂「バンドの音」です。

シティちゃんが結婚である意味「あがり」になった今、真にマレーシアを代表するシンガーは彼女じゃないでしょうか。
少なくとも、「Dayang Sayang Kamu」以降の3枚はいずれも素晴らしいクオリティだと思います。

しかし、今回ボルネオに行って感じましたけど、半島マレーシアとはほとんど別の国ですね。英語通じにくい(マレー語メイン、次いで中国語)し、州間の移動でもイミグレあるし。
ダヤンもサラワク出身ということで、半島の人からするとちょっと距離感あるのかな?



「kasih」からの曲が見つからなかったので、「Dayang Sayang Kamu」から「Kau Pergi Jua」。
ちょっとマレー歌謡入ってます。

posted by インサック at 23:53| バンコク ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月13日

Samira Said / Ayaam Hayati

samira_ayaamhayati.jpg

間違いないっす。



モロッコ出身の女性歌手、サミーラ・サイードの最新アルバム(2008年)。
この人は歌がすごくうまく、声質にすごく特徴があるので、よっぽど変な曲じゃない限り、作品としての完成度はまず保証されるという感じです。

「よっぽど変な曲じゃない限り」と言いましたが、このアルバムの曲はかなりクオリティ高いと思います。
抑制されたアレンジがサミーラの歌を一層際立たせていて、大人な音作り。
こういう音数を抑えたアレンジは、彼女のヴォーカルスタイルには合っていると思います。声を聴きたいですから。
バッキバキの打ち込みに乗ってても、スリルがあってかっこいいですけど。
やはり「間違いない」アーティストであるナワール・アル・ゾグビーの「Toul 'Omry」に通じる、ダンサブルでありながらもしぶいセンスです。

サミーラのケロケロした鳥っぽい声質で完璧な発声・音程・こぶし回しで歌われると、なにか重要な神託を告げられているような気分になります。歌詞の意味は全くわかりませんが。
元々アラブでは(アラブに限らず?)、芸事というのは、古代には神からのお告げを人々に伝えるような意味合いもあったのでしょうから、そういう意味では音楽の成り立ちに忠実とも言えますね。



9曲め「Hob mayous menoh」。
いつまでも若く美しい人ですね。

posted by インサック at 14:37| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | アラブ系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月07日

Rose / My Inspiration

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Rose色。



ロース・シリンティップの3枚目のアルバム(2008年)。
前作から1年少々と、タイのミュージシャンにしてはハイペースなリリースです。
今回は90年代中盤〜後半のタイポップスの名曲をカヴァーしているようです。
アルバムタイトルからして、Roseが影響を受けた人たちを取り上げているのでしょうか。
Marsha、Amp(エーム)、後は「パン」という男性歌手、ルークトゥン界のトンチャイGotなどをカヴァーしています。
今気付きましたが、エームってタイ語的には「P」で終わってないのに、何でアルファベット表記が「AMP」なんでしょう?

一昔前のタイポップス、しかもルークトゥンまであるので、当然いわゆる「タイ歌」なはずなのですが、Roseが歌うとあら不思議、非常にハイセンス&アコースティックな雰囲気。
少ない音数で、かなりアレンジを作りこんだ感があります。これもRoseのセンスだとしたら恐るべし。
しかし、最も特徴的なのは、やはり彼女の歌声でしょう。
少しハスキーな声で、一聴すると淡々と丁寧に歌っているように聴こえるのですが、よく聴くとフレーズ毎のブレスや強弱のつけ方が半端なく考えられている。
このきめ細かいヴォーカリゼーションが、何を歌ってもRoseというシンガーの記名性を強く印象つけるのではないでしょうか。
ということで、知ってる曲が1曲もなかったというのもありますが、普通にRoseのニューアルバムとして聴けます。

しかし、こういうある意味「企画モノ」のアルバムをリリースするということは、セールス的に厳しいのでしょうか?
The SISというグループが、ファースト以降どんどん凡庸になって、カヴァーアルバムを出してから音沙汰がなくなってしまったのですが、同じ轍を踏まぬよう祈るばかりです。



Roseの動画を探していたら、Zita Zalaiとのデュエットがありました。
どうやらZitaやNJが参加した英語曲のカヴァーアルバムがあるようです。ゲットせねば!!

posted by インサック at 12:04| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月06日

Nat Myria / get up beautiful

nat_get_up_beautiful.jpg

Nat好きにはたまらない。



Nat Myria Benedettiの2年ぶりの新譜(2008年)。
前作前々作の路線を継承するおしゃれタイ歌R&Bです。
具体的には、ラップ登場以前のR&B~ソウルの音にタイ独特のメロディーライン。Natの芸風として確立された感がありますね。
それなりに芸暦長い人なので、既存ファン向けにタイ歌的要素は必須なんでしょうか。

R&B的フォーマットを外れない範囲で、曲調はバラエティに富んでおり、聞き飽きないですし、Natの気品あるヴォーカルがアルバム全体の統一感を作っています。

この「気品ある」というところがNatの最大の個性であり魅力だと思います。
過去はもっとベタなタイポップスを歌っていたりもした彼女ですが、当時からどんな下世話なベタな曲でも、Natの声と歌い方はノーブルなトーンを保っていたと思います。
それはこのアルバムでも十二分に堪能することができ、昔からのNatファンも安心して聴ける出来になっています。
逆に言うと、Natが歌ってさえいれば、曲自体はわりとどうでもいいとも言えます。
そういう意味では、おれはNatをアイドルポップスに近い聴き方をしているのかも知れません。
natの声が聴ければいいという。
まあ、このアルバムの曲やアレンジはかなりクオリティ高いと思いますが。


J-ジェッタリンとのデュエット、「Gossip」。
Natももう33歳ですが、年齢に合った魅力を持っていると思います。
ただ、白人の遺伝子が発現しつつあるのか、昔よりちょっと太くなった気が?
(今までがありえないくらい細かったわけですが)

posted by インサック at 10:45| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | タイ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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