2008年10月13日

Dayang Nurfaizah / Buat Kamu

dayang_buat_kamu.jpg

際立つ情念。



これもボルネオはミリで購入したダヤン・ヌルファイザのアルバム。
2006年のリリースになっていますが、ダヤンはDayang Sayang Kamu(2004年)以降アーティスト表記を「Dayang」に統一しているみたいなので、いわゆるリパッケージ盤なんだと思います。
Wikipediaにも載っていないし、写真やデザインにやっつけ感が漂うこのアルバム、何か事情があるのかも知れません。

音的にも、「Dayang Sayang Kamu」以降のR&Bをベースにしたハイクオリティからすると、チープな打ち込み主体で、2002年のアルバム「Di Sini Bermula」に近い感じです。
曲の半分がマレー歌謡調なのも共通していますね。
R&B的歌唱の萌芽も感じられるのですが、まだマレー歌謡の範疇から抜け出せない幅の狭さがあります。
しかしその「狭い幅」が逆に情念を感じさせてくれることも事実です。

残り半分のポップソングは、Perfumeばりにヴォーカルをいじった、かなりテクノ寄りのアレンジもあったりして、チープなりに楽しいアルバムだと思います。


このアルバムからの曲は見つからなかったので、「Dayang Sayang Kamu」よりマレー歌謡的な「Erti Hidup」。
youtubeでもかなりアップされていて、人気の曲のようです。確かにいい。なんでこんなに歌がうまいのにOne in a Millionで敗退してしまうんでしょう?




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2008年10月02日

Erra Fazira / Ya Atau Tidak

ella_fazira_yaatautidak.jpg

洗練されていないところがいい。



マレーシアの女優兼シンガー、エラ・ファジーラの2006年のアルバム。
前作「...Kini Kembali」はかなりいい感じでした。

このアルバムは、マレーシアポップの最先端を行っているであろうSukiDayangの作品に較べると、かなり保守的な感じ。
内容としては、打ち込みアップテンポソウルとマレー歌謡の香り漂うバラードなど。音楽的な冒険はほとんどありませんし、マレー風味が強い分洗練さには欠ける内容かも知れません。

しかし、ではこのアルバムが退屈で聴くに値しないものかと言うと、そうではないです。
前述のDayangやSuki、またNingの世界デビュー盤などは、確かにマレーポップスの新しい領域を切り拓く素晴らしい作品であることは間違いないですが、このエラ・ファジーラのような作品もまた素晴らしいと思います。
夫であるKRUのYusriのサポートもあるのでしょうか、ツボは外さずていねいに作ってあるし、本業は女優なのに、いや、女優だからこそ?表現できる、このいい意味での「ひっかかりのなさ」は気持ちいいです。なんかほっとするというか。
女優でも歌手でも、「表現行為」という意味では通じるものがあると思いますし、実際すごくエモーションが伝わってくる歌だと思います。

マレーシアにたかが数十回行ったことがあるだけの、外国人であるおれがそう感じるのだから、マレーシア語をネイティヴとし、マレーポップスを長年聴いてきた人だったら、なおさらそう感じるのではないでしょうか?
タイで言うとPanaddaのような、派手ではないけど信頼できるシンガーと言えると思います。女優だけど。


アルバムタイトル曲「Ya Atau Tidak」。
安心して聴けるかっこいい曲です。


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2008年09月28日

Suki / finally | akhirnya

suki.jpg

商品として素晴らしい。



「マレーシアのグラミー賞」的な音楽祭「AIM」の2008年度<最も期待される新人>に選ばれたSuki Lowのデビューアルバム(2008年)。
AIM2008の結果はアサ・ネギシさんのブログに載ってます。こちら。
AIMのサイトには載ってません。不思議。

このsukiというYOSHIKI似の女性、中華系らしいのですが、アルバム収録曲はマレー語と英語半々くらい。
曲の方は、現在のポップミュージックの「売れ線」の要素を全て詰め込んだというか、これは売れるでしょ、という感じです。
ラップやリンキンパークみたいなエディットされたディストーションギターもあればアヴリル・ラヴィーンばりのストレートなパンク風ロックンロール、ちょいダサなバラードと、ツボを押さえた曲が絶妙のアレンジとサウンドプロダクションで展開されています。
sukiのヴォーカルは、突出した個性はないのですが、曲にマッチしたエモーションとテクニックを持っています。
「商品」としてはすごくクオリティ高いと思います。

こういう「産業ロック」みたいな音って、相当の力量がある人が作らないと聴くに耐えない退屈なものになりがちなのですが、このアルバムはすごいです。「商品」という意味で、買って「損した」と思う人はほとんどいないのではないでしょうか。
逆に、実験的な要素や音楽的な新規性は全然ないのですが、そんなものを望むのは一部の音楽マニアしかいないのが現実でしょう。
個人的には挑戦的な音の方が好きなのですが、ここまで完成度の高いものを作ってくれれば文句ないっす。

ところで、非マレー人のアーティストがマレー語で歌うというのは、Karenなんかもそうですね。
ボルネオ行きの飛行機(マレーシア航空)の機内誌によれば、Karenは大きな成功を収めたそうです。
また、ミリのCDショップではインドネシアのアーティストのCDがけっこうあったのですが、ちょっと前までマレーシアでインドネシアのCDはそんなに売ってなかったと思います。
最近はこの2国間の音楽市場のボーダーレス化が進んでいて、マレーシアのアーティストがインドネシア1億8千万人の市場も狙える状況が生まれてきて、それでマレー語で歌う人も増えているのかな?と思いました。


AIM15 (2008年)のステージで歌った「Berdiri」。
スター性を感じます。

posted by インサック at 14:00| バンコク ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月27日

Ning / East To West

ning_east_to_west.jpg

欧州ぽいです。



ボルネオでゲットしたCD、Ningの世界デビューアルバム(2008年)。
正確にはヨーロッパで発売されたみたいです。全曲英語詩(当たり前か)。
彼女はソウルを歌うことが多いのですが、このアルバムは欧州市場を意識してか、Roxy Musicやジョン・フォックス在籍時のULTRA VOX、Human Leagueなどを思わせる哀愁デカダンエレポップ風味になっております。
敢えてこの音を選んだというのは、Ningも含めた作り手のこだわりがあるんでしょう。
すごくヨーロッパ的な音だと思いますが、最近こういう音ってめっきり聴かなくなりましたね。
最近の英国の音楽ってどうなってんのかな?とBBCのチャートを見たら、1位メタリカ、2位Neyo、3位Rihannaでした。米国と変わりませんね。
Rihannaは意外に欧州っぽい音と言えるかな?

80年代はあんなに隆盛を誇った英国エレポップですが、現在の英国のミュージシャンは、マンチェブームあたりからバンドサウンド一辺倒になっているような印象があります。
そんな状況の中で、このアルバムは非常に新鮮。
世界デビューにも関わらず、音楽的実験性にもあふれた、攻撃的なアルバムだと思います。
Tata Youngの世界デビュー盤なんて、保守的すぎにも程があると思いましたけどね。日本では売れたみたいですが。

Ningにとっても、このような今までと全く違う音楽性に挑戦するのは冒険だったと思いますが、ウィスパーヴォイスなども交えつつ、表現の幅を拡げるのに成功していると思います。
音的にも、80年代英国エレポップの流れを汲みつつ、リズム的には2000年以降のセンスが導入されていたりして、ノスタルジアに流されるわけではありません。
狙いどころは決して悪くないと思いますし、欧州でPerfume的に(突然変異的に)ヒットしてもおかしくないと思います。



ファーストシングル「age of Population」。
普通に世界レベルでかっこいいです。


posted by インサック at 15:54| バンコク ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年09月25日

Dayang / Kasih

dayang_kasih.jpg

島の名盤です。



先日東マレーシア(ボルネオ)のグヌン・ムル国立公園というところに行って大自然に驚愕してきました。
コタキナバルからムルに行く途中、ミリという町で飛行機を乗り換えたのですが、その時に買ったCD(2005年)。
ダヤンのこのCD、Dayang Sayang Kamuの後にリリースされたことは知っていたのですが、長らく入手できずにいました。
しかし、さすがダヤンの故郷サラワク州のCD屋、長年探していた(と言ってもたま〜に通販サイトをのぞくくらいですが)このCDもちゃんと置いてありました。ありがとうミリのCD屋!

アルバム収録曲の半数はマレーシア近代音楽の父P・ラムリーの曲で、後の半分は「Copyright Controlled」と書いてあります。
これは「作曲者不詳だけど、著作権はどっかの企業とか国とかに管理されています」という意味だと推測しているのですが、英語的にはどういう意味なんでしょうか?

ともあれ、往年の名曲をダヤンがクラブシンガーのようにムーディーかつエレガントに歌う、というコンセプトのようです。
アレンジは、誤解を恐れずに言えばSadeみたいな格調高い大人のジャズ・ソウルテイスト+ラテン主体。何曲かはレトロなアレンジになっており、むせびなく濃厚なマレー歌謡を堪能できます。

このように、昔の曲をジャズ/フュージョン/ソウルを基調としたトーンでリアレンジすると言うのは、Sheila Majidの「legenda」と同じコンセプト、とも言えますが、SheilaもDayangも、ラムリーの曲のマジックなのか、シンガーとしての本質的な部分が最も良く出ていると思います。
逆に、こういうスムーズなトラックだと、ヴォーカルの個性が確立されてないと、箸にも棒にもひっかからない感じになる可能性大だと思います。

しかし、このアルバムのバックの音はすごく良く作られています。
バンドアンサンブルがすごくかっこよくて、楽器を弾く人だと更に楽しめるんじゃないでしょうか。所謂「バンドの音」です。

シティちゃんが結婚である意味「あがり」になった今、真にマレーシアを代表するシンガーは彼女じゃないでしょうか。
少なくとも、「Dayang Sayang Kamu」以降の3枚はいずれも素晴らしいクオリティだと思います。

しかし、今回ボルネオに行って感じましたけど、半島マレーシアとはほとんど別の国ですね。英語通じにくい(マレー語メイン、次いで中国語)し、州間の移動でもイミグレあるし。
ダヤンもサラワク出身ということで、半島の人からするとちょっと距離感あるのかな?



「kasih」からの曲が見つからなかったので、「Dayang Sayang Kamu」から「Kau Pergi Jua」。
ちょっとマレー歌謡入ってます。

posted by インサック at 23:53| バンコク ☁| Comment(1) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月23日

Dayang Nurfaizah / 2007

dayang_2007.jpg

安定すること山の如し。


Dayang Sayang Kamu(2005年)、Kasih(2006年)に続き、マレーシアのアーティストとしてはSiti Nurhalizaばりのハイペースでリリースされたダヤンの最新アルバム(2007年)。
「Dayang Sayang Kamu」は非常に素晴らしい、聴き応えのあるアルバムでした。
その次の「Kasih」(未聴)も評価が高かったようです。このアルバムどうやったら入手できるのでしょうか?

で、今作ですが、「Dayang Sayang kamu」の路線を引き継ぐR&Bテイストがメインになってます。
マレーシアらしく、ちょっとクラシックな曲調。具体的にはヒップホップ要素が非常に少なく、「昔の」R&B的な雰囲気が強いです。
もちろん音の一つ一つは2000年代にふさわしい処理がされていることは言うまでもありません。

今回はDayangの歌声が素晴らしいです。
この安定感というか信頼性は、現時点では最新作がいまいちだったデコピーを上回っているのではないでしょうか。
ソウルフルと言うよりも「根性」を感じさせる芯の強い歌声は、さすが島育ち、軟弱なKL育ちにはなかなか出せない味なのでは?
歌い上げ系の大仰なバラード(マレーシアで非常にありがち)からスリリングな譜割りの難しい高速ナンバーから、余裕しゃくしゃくで歌いこなしている感じです。
さすがキャリア12年、14歳からショウビズの世界でサヴァイヴしてるだけのことはありますね。

ところで前々から気になっていたのですが、彼女のルックスはマレーシア的にはどう評価されているのでしょうか?
写真によって顔が全然違ったりもするのですが、概ね「西洋人男性が好きな東南アジア女性」(婉曲表現)っていう印象を持ってしまうんですが……


dayang_2007_2.jpg

この裏ジャケの写真なんか、美しく撮れてますけどね。



3曲め「Ingin Ku Miliki」。
アルバムには「Salsa Mix」「Chaos Club Mix」も収録されており、このアルバムを象徴する曲だと思います。
確かにダヤンの魅力を十二分に感じられる佳曲です。



posted by インサック at 16:25| バンコク ☁| Comment(4) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月05日

Karen / Mulakan

karen.jpg

鬼気迫る可憐さ。



コタキナバル産まれの中国系マレーシア人、カレンのデビューアルバム(2007年)。
東マレーシア出身の中国系というのも珍しいですが、マレー語で歌う華人歌手というのもかなり珍しいと思います。
中国語で歌い、中華圏で活躍するマレー華人としてはPenny Taiが思い浮かびますが。

中国系だからでしょうか、いわゆるマレー歌謡の対極にあるライトでアコースティックな音。
カレンさんの透明感のあるヴォーカルとマッチしていて、非常に統一感があって気持ちよく聴けます。

しかし、彼女のヴォーカル、すごく切羽詰って聴こえるというか、現時点で自分が持つスキルの最大限のところで歌っている感じがするんですよね。スローナンバーでも。
曲がまったりしていても、なんか緊張感を強いられるところがあります。
それは欠点ではなく、むしろ「聴き応えがある」というふうに感じられます。辛気臭くはないし。
「na na na nada cinta」という曲は久保田利伸の「La・La・La Love Song」のカバーなのですが、原曲の切なげなトーンはあまりなく、カラっと仕上がってます。
他にも、マレーポップらしいフュージョンの香りがするアップテンポなナンバー「Bintang」などでも、シャープでスピーディーに歌いきってますし、バランス取れてますね。
昔の(と敢えて言いますが)SitiちゃんやJaclyn Victorのような、圧倒的な「声ぢから」や個性はないかも知れませんが、すごく努力家のような気もするし、長く活動して欲しいですね。
でもマレーポップスって市場小さいし、けっこうヒットしたはずの新人(
個人的にはあまり好みではないですが)
Misha Omarですら音沙汰ないし、けっこうきついのかもな〜。




「ハローキティ大好き」というタイトルなのに、なぜか終始不穏な空気がただよう謎曲「cinta hello kitty」。


posted by インサック at 01:45| バンコク | Comment(0) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年03月03日

Dato' Siti Nurhaliza / Hadiah Daripada Hati

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シティ・ヌールハリザ

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う〜ん……



結婚してDatoになった人妻デコピーの最新アルバムです(2008年)。
なんか心なしか大人びた顔立ちになったような…
ブックレットも黒と金を基調にしたゴージャスな装丁になっており、なんか貴族貴族してますね。
デビュー当時のあどけなさからすると隔世の感があります。

さて内容ですが、正直言っていまひとつな感じ。
もちろん基本的な歌唱力はすごい人なので、うまいはうまいんですが、バックトラックの作りこみも含め、なんか「薄い」。
結婚もして爵位もゲットして、もうシティちゃん歌に対する情熱がちょっとなくなっているのかな?という妄想までしてしまいます。

彼女は、元々ポップスとマレー伝統音楽風のアルバムを交互に出していた人で、特に「濃い」情念のマレー歌謡を歌った時の圧倒的な吸引力と較べると、本作はあっさりしすぎている印象があります。
それは曲調ということもあるし、音楽制作にかけた情熱と知恵、ということでもあります。
前作「Transkripsi」では、またそれ以前のポップアルバムでも、マレー歌謡の歌い方でポップソングを歌っていたのですが、今回はそれがあまり感じられません。
特に「Transkripsi」では、マレー的な歌唱の曲もあれば現代的な歌唱の歌もあったのですが、ここまでマレー色が後退してしまうと、ちょっと物足りなく感じてしまいますね。

まあそれも一ファンの勝手な思い込みで、普通に聴けば普通かな……とも思いますが、でもそれだと単に歌のうまい人が凡庸な曲を歌ってるだけじゃん!!とも思いますし。
う〜ん。
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2007年07月18日

Camelia / Mysticam

camelia.jpg

違ってたけど、まあいいや。



アジアのポップスを聴き始めた時、タイのSilly FoolsMr. Team、インドネシアのAndienMellyなんかと同時にマレーシアのCameliaという女性シンガーのアルバムにたいそう感銘を受けました。
そこから現在に至ってこんなブログを細々続けるに至るのですが、おれにとってCameliaという人は、アジアポップスの魅惑の扉を開けてくれた、優れたアーティストの一人であるわけです。
残念ながら2001年以降、作品を発表していないようで「また活動しないのかなあ…」と思っていたのですが、ある日Wanitaを見ると「Camelia」の文字が!!!
ジャケットに「こんなダダみたいな顔だったっけ?」と違和感を感じながら購入したのですが、やっぱり別人でした…
ああ、あのCameliaの声はもう聴けないのか…とがっかりしつつ、せっかく買ったんで一応聴いてみると、これがけっこういい。
DJ Gabrielという人とCameliaの共同プロデュースになっているのですが、DJだけあってクラブっぽい。
一方で、ちゃんとポップミュージックのフォーマットは守ってて、クラブっぽい音でありながら、レゲエあり(こういうのダブって言うんでしたっけ)トロピカルありで、基本的に「歌もの」を外していないという、割とおれ好みの音作りでした。

マレーシアのポップスって、「時代の半歩後を行く」音作りが特徴だと思っていて、それがまたおれに取っては魅力なんですけど、このアルバムも「最先端のクラブミュージックの半歩後」っていう感じです。でもそれが安心して聴けるというか、何と言うか、Chemical BrothersとかDaft Punkとかって聴いてて疲れるじゃないですか?おれだけか?

最後に「CLUB MIX」と銘打たれたリミックスが2曲入っているのですが、こちらはモロにクラブの音。このままフロアで流しても違和感ないと思います。ってクラブ的なところには15年ほど足を踏み入れていませんが。
もうDJがプレイの途中でトイレにでも行ったのか、というほど延々繰り返すシークエンス。こういう単純な反復ビートって中毒になりますよね。
日本ではクラブなんざこっ恥ずかしくて行けませんが、今度タイに行った時にでも行ってみようかな…Dance Feverとか。クラブじゃないですが(笑)。

Jari Jemari
動画だとダダっぽくないです。



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2006年12月24日

Juliana Banos / Mutiara "Jun"

juliana_banos.jpg

「Tokyo」は名曲です。



マレーシアの女性ヴォーカリストのデビューアルバム(2006年)。
SitiとかJaclynを買った時についでに購入しました。
なかなか手固く作ってありまして、楽曲のレベルもバリエーションも及第、ダンサブルな曲を中心に、少し懐かしい感じのアレンジでうまく作りこんであります。
ジュリアナさんもエモーショナルなヴォーカルで伸び伸び歌っている感じです。
総合的にバランス取れてるので、気がつくとけっこうリピート回数が多くなるタイプのアルバムですね。

で、アルバムに「Tokyo」というタイトルの曲が、英語詩と日本語詞の2ヴァージョンで収録されています。
ベタに琴や尺八の音がフィーチャーされたスローナンバーなのですが、これがいいのですよ!!
マレーシア人が解釈する「日本っぽさ」ってこんな感じなんでしょうか?心なしかJ-POPぽいテイストも感じられ、日本語詩ヴァージョンは宇多田ヒカルにでも歌ってほしいくらいです。
しかしなぜ日本語曲?
おれの知る限りでは、日本語詞の曲をCDに収録したマレーシアのアーティストはいないですし、日本語で歌うことがマーケティング的にメリットになるとも思えないのですが…
クレジットを見ると、ジュリアナには日本人の友達がいて、Taichiroさんという方がレコーディングに何らかの形でかかわっているみたいです(作詞クレジットはなし)。
また日本語詞がちょっとおかしい、というか、ネイティブスピーカーが作ったと思えない出来なんですよね。「Neko Waraishute(猫笑いして?)」とか、文脈がつながってなかったりして。ひょっとしてジュリアナ本人が日本留学経験があるとか、日本語を学習していて、自分で作詞したのかな。
だとしたら、なんかかわいいですよね。


posted by インサック at 22:39| Comment(6) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月06日

Siti Nurhaliza / Transkripsi

siti_transkripsi.jpg

ある意味妥当、ある意味問題作。



マレーシアを代表する歌手、デコピーことシティ・ヌルハリザの最新フルアルバム(2006年)。ご結婚おめでとうございます。
正確には、このアルバムの後に「結婚記念アルバム」的な編集盤が出ているので「最新アルバム」ではないのですが。

さて、このアルバム、おれは結構好きです。個人的には彼女のアルバムの中ではベストかと。
音的にかなり現代のトレンドを取り入れており、もちろんスーパースターシティちゃんですから納得のクオリティ。2006年にリリースされたポップアルバムとしてはある意味当然の音作り。
しかし、一方で、ある意味古色蒼然とした情念のマレーバラードこそ、彼女の魅力が最大限に発揮されることもまた事実だと思います。
そういう意味では、過去のアルバム、特に伝統系(彼女はある時期までポップアルバムと伝統系アルバムを交互にリリースしてました)のほうがグっと来る御仁も多いことでしょう。

ここからは推測ですが、このアルバムのタイトル「Transkripsi」、これは英語で言う「Transcription」=「書き換え」という意味が込められているのでは。
要は、今までの「お行儀良い、マレーシアの伝統的な良識から一歩もはみださない良い子」というパブリックイメージからの決別、というメッセージが込められているのでは、と思っちゃうわけです。
と言っても、このアルバムにも彼女の従来からの魅力を最大限に伝える曲(いい意味で「古臭い」バラード)も何曲かあるんですが、そうじゃない曲の自然さが際立っているように思うんです。

前作「Prasati Seni」では、現代的な曲にちょっと違和感があったのですが、今作ではそれがない。
ダンサブルな曲あり、ボサノバあり、ロックあり、いろんな曲調、いろんな歌い方に挑戦してて、それがサマになってる。シティのファルセット、このアルバムで初めて聴いたかも。

また、伝統系アルバムは「Sanggar Musutika」(2002年)以来出してない(と思う)ということからも、シティ自身新しいモードを目指しているのかも知れません。
伝統系もけっこう好き、というか、やはり彼女の真骨頂はそこにあるとも思いますし、ちょっと寂しい気もします。

ということで、彼女の「過渡期」のアルバムなのかな。その「変化する途上」的な感触がまたステキです。

でも結婚しちゃったしな、もうあんまりアルバム出さないのかもね。Jacの時代か?!
posted by インサック at 22:46| Comment(4) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年11月05日

Jaclyn Victor / Inilah

jac_inilah.jpg

おそろしくうまい。



第一回マレーシアン・アイドル優勝者のジャクリーン・ヴィクターのセカンドアルバムです(2006年)。タイトルの意味は「これだ!!」みたいな感じ?
特別仕様のジャケットで、かなり(売る方は)気合いが入ってます。ファーストが売れたんでしょうね。
ヴィジュアルも、ファーストの時よりむしろ若返ってます。本人もノリノリの時期なのでは。輝いてます。

ファーストでの彼女のチャームポイントは、タイトル曲でもあった「Gemilang」に代表される、天まで届く伸びやかなハイトーンシャウトだったわけですが、それはこのアルバムでも如何なく発揮されています。
また、前作がどっちかというと保守的な音作りだったのと比較すると、今回はかなり現代的で黒人的です。ラップをフィーチャーしたりホーンを導入したりして、かなりソウルフルな感じ。
Jacはインド系マレーシア人で黒人ではなく、ヴォーカリゼーションもけして黒人的ではないのですが、ソウルフルな曲調は、彼女のハスキー&キュートな声にすごくマッチしてますね。

また、今回はテクニック的に難しい曲が多いです。1曲目からいきなり変拍子。しかしこれをグルーヴ感満載で歌い切っております。
これ、実はかなり難しいと思います。
他にも、(細かいですが)3曲目「Cepat Cepat」Bメロのデリケート&ソウルフルなラインなんかもバッチリです。
1枚目の、エモーションをガーっと解放する気持ちよさに加え、こういうテクニカルなスリリングさをも会得しているとは、恐るべし。
まあ、この人デビュー前からクラブとかで歌ってたらしいんで、下積み時代に得たスキルなのかも知れませんね。
Music Rajaによると、ザイナル・アビディンが彼女を「シティを打ち負かせる逸材」と表現したそうですが、「総合的歌唱力」という意味では今作で上回ったかも。
ただ、マレー歌謡的な歌だとまだデコピーに軍配が上がるかな。ていうか、Jacは非マレー系ということもあり、マレー歌謡を歌おうという気はないんじゃないかな。

いや〜とにかく素晴らしいヴォーカルアルバムです。
今後もマイノリティ代表という意味でも、ガンガン活躍してほしいです。
posted by インサック at 23:25| Comment(39) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月10日

Erra Fazira/...Kini Kembali

Erra_Fazira.jpg

マレーシアならではの佳作。



元ミス・マレーシアで現在は画女優として活躍しているErra Faziraの2004年のアルバム。
おれは以前彼女のベストアルバムを聴いて、「ああ、女優の余技ね」という印象を持ってそれっきり聴いてなかったのですが、このアルバムは非常に良いです!

この人のキャリアについてはあまり詳しくないのですが、映画女優としての評価はこのへんに記述があります。
映画女優としては既に10年以上のキャリアがあるようですね。
ミス・マレーシアで女優さんということで、写真を多めにはっておきましょう。

Erra_Fazira2.jpg
スポーティなErraさん。


Erra_Fazira3.jpg
寂しげなErraさん。

内容ですが、もう王道マレーポップス。最新形ではないけとも、音楽製作のツボを押さえた音作りです。
アルバムのタイトルは「今帰ります(帰りました?)」という意味のようで、彼女にとっては原点回帰みたいなアルバムでもあるのでしょうか。

情念の歌い上げマレー歌謡も数曲入ってますが、むしろいわゆる「ポップス」が多いですね。彼女のキャリアや年齢(って知らないんですけど、キャリアから推測するに30代前半だと思います)からすると多少子供っぽい感じもあります。
また、本職は女優さんということもあってか、歌がそんなにうまいわけじゃないです。特に微妙なフェイクとかリズムとかがちょっと甘いかも。
しかし、そんなささいな欠点を補ってあまりあるのが、楽曲の質の高さなんですね。ええ曲そろってまっせ〜。
また曲の並び方も秀逸で、1曲目の「SMS Saja」はプロローグにふさわしい軽快なナンバー、中盤に2003年に結婚したKRUの長男Yusriとの夫婦デュエットがあって、シーラ・マジッドの初期(1985年)のナンバー「Pangemis Muda」のハードロックなカヴァーがあって、ラストは一番いい曲の「Hanya Di Mata」で締めるという、フルコース料理のような内容となっております。
やっぱマレーポップスってクオリティ高いな〜と思わせる1枚でした。
一緒に購入した何枚かがハズレだったことは内緒です。
posted by インサック at 00:03| Comment(1) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月09日

Nikki/Maharani

nikki.jpg

マレーにしては新しい。



非常に白人ウケしそうなヴィジュアルのマレーシアの新人シンガー、Nikkiのデビューアルバム(2005年)。
ssjさんによるとJaclyn Victorが優勝した「マレーシアン・アイドル」の入賞者のようです。

非常にいいアルバムだと思います。
マレーシアの女性シンガーって、Jaclynもそうだし、最近絶賛させていただいたDayang
もそうなんですけど、音のスタイルが、欧米のポップミュージックと比較すると「最新」ではないんですね。「一時代前」のように感じます。デコピーなんて最たる例ですよね。
それが魅力でもあるんですが。

このアルバムは「半時代前」って感じでしょうか。
割といろんなタイプの曲が入ってますが、感触としてはDestiny's Childの1枚前のアルバムって感じ。(雰囲気だけで言ってます。デスチャなんてまともに聴いたことないです)
Nikkiも、Jaclynみたいな圧倒的な歌唱力はないのですが、器用にこなしてます。
曲もちゃんとフックを考えて作ってあるし、アレンジも手を抜かず作りこまれてるし、こういう総合点で勝負するようなアルバムって何回も聴きたくなりますね。

このアルバムには「Penerbit Eksekutif」としてNing Baizuraの名前がクレジットされてます。
英語にすると「Exective Publisher」みたいな意味みたいですが、「Ningが見出した」みたいな感じなんでしょうか?


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2005年12月26日

Dayang Nurfaizah/Dayang Sayang Kamu

dayang.jpg

名盤です!



久々にマレーシアのポップス聴きたいな〜と思って購入しました、ダヤン・ヌルファイザのニューアルバム(2005年)。
このアルバムはリパッケージ盤です。ということは先行した通常盤が売れたということです。
この人ってマレーシアではどういう位置づけなのでしょうか?
ssjさんのこのエントリではアイドルっぽい感じですが、アイドルなのかなあ?まあマレーシア人にとっては美人なのか。
確かにアルバムのタイトルに自分の名前入ってるし、インナーも写真満載だし、アイドル的扱いなのかも知れませんね。

彼女のアルバムはこれを持ってて、「なかなかいいんじゃない?」くらいの印象だったのですが、今回のこのアルバム、非常にいいです!

前作に感じられたマレー歌謡っぽさは影を潜め、マレーシアらしい、最新ではないけど洗練された「ヒップホップ以前のR&B」って感じで統一されてますが、これがいちいちかっこいいし、楽曲もちゃんとフックがあって、いい意味で「売れ線」。
よく聴くとマレー歌謡っぽい曲もあるのですが、音の洗練具合が上がっているので歌謡っぽく聴こえない、むしろR&Bナンバーが並ぶ中でいい感じのアクセントになっている。
とにかくかっちょいいっすよ!Dayangの声も心なしか大人になったような気がする。

また、リパッケージ盤なので、タイトル曲「Dayang Sayang Kamu」のリミックスヴァージョンや新曲も入っているのですが、これがまたいい出来なんだ!!
エイミー・マストゥーラの「Akan Datang」やNoraの「Kirana」に匹敵する、すばらしい、また非常にマレーシアっぽい名アルバムと言えましょう!ブラボー!!




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2005年06月10日

Ning/Erti Pertemuan

ning_ertipertemuan.jpg

馬洋折衷(あと印・中東も)。



また1時を回って帰って来たけど更新するわけですよ!

更新してもよろ



マレーシアのソウルっぽいシンガー、Ningのニューアルバム(2004年)。
マレーシアだとこの人とシーラ・マジッド、シティ・ヌルハリザ(デコピー)はなんだかんだで新譜が出たら買っちゃいます。
Cameliaもかなり好きなんだけど、さっぱりアルバムが出ません(涙)。

さて、1枚前のアルバムと比較するとかなりスケール感がアップしており、ソウル度もアップしてます。同時にマレー度もアップしており、単純なソウルフルネス(って言うんでしょうか?英語的に)ということではなく、独特の音になってます。
曲によってはかなり大げさ&暑苦しかったりもしますが、淡白だった前作より多少うっとおしいくらいのこっちのほうが聴き応えあっていいですね。シーラともシティとも違う良さが、確かにあります。

マレー歌謡って日本の演歌にも通じる情念を感じることが多く、それがOKかどうかで人を選ぶところがあると思います。
インドネシアになるとインド・中近東のテイストが濃くなって、「異国の音楽」という感じで逆に素直に聴けたりするんですけどね。
おれは実はマレー歌謡の演歌っぽい部分って苦手です。ノラニザの新作くらい突き抜けちゃえばまた別ですが、シティちゃんの伝統路線はちょっと辛いかも。

で、このニンのアルバムは、マレー歌謡っぽい部分はあるんですが、それは全体の10%くらいで、スパイスとしていい塩梅(と書いて「あんべえ」と読む)になってます。
10曲中1曲という意味ではないです。各曲に少しずつ含まれてます。
もちろんマレーシアなので十分洗練されている曲もたくさんありますし、中東系のテイストも入ってるし、すごくいろんな要素をうまく取り入れてて、マレー歌謡要素もone of themって感じです。これも他民族国家マレーシアの成せる業か。マレーシア恐るべし!ていうか肉骨茶食いてえ!

posted by インサック at 01:54| Comment(8) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年06月08日

Noraniza Idris/Sawo' Matang

noraniza_sawo.jpg

スタイルの純度を上げることでスタイルの枠を超える。



マレー伝統音楽(イラマ・マレーシア)界(ってあるのでしょうか)ではおそらくいろんな意味でNo.1のノラニザ・イドリス最新アルバム(2004年)。
この人のアルバム、他にも聴いたことあるのですが、それはバラエティには富んでいてけっこう面白いのですが、あくまでも「イラマ」という枠の中での話だと思いました、このアルバムを聴いて。

「The Fasion Ethnic」というサブタイトルが付いたこのアルバム、ある程度西洋ポップスの方法論を導入しています。
厳密に言うと、リズムが打ち込みになったりコード楽器の音色が西洋風(ホーンとか)にはなっているのですが、曲の骨格やノラニザのヴォーカルはイラマの基本に忠実なものです。
ただ、とんでもなく高い目標を目指して作った感じ。
おそらくかなり力を入れて制作したんだと思いますし、結果として既存のイラマの枠を超えた傑作になってます。
それは西洋風になったからではなく、マレー民謡としての純度を高めた結果なんだと思います。
で、ここまで純度が高まれば、イラマ界の外に対しても十分な魅力を発することができると感じます。
それはエジプトのアムル・ディアーブ、タイのタイ・オラタイなんかにも言えることですね。
逆にシティ・ヌルハリザの伝統音楽アルバムは、従来の枠から一歩も出てない感じがします。
もちろんシティちゃんはすごく才能のある歌手ですし、冒険できない(特にイラマを歌う時)事情を背負っていることは薄々理解できますが。

あと、これはいわゆるマレーポップス全体に言えることですが、レコーディング技術が非常に優れている。なんちゅうか、きれいでキレがある。日本以上だと思います。
日本だと打ち込み&プロトゥールズで編集編集っていう音(浜崎あゆみに代表される「あの感じ」です)は得意だけど、生楽器と打ち込みの融合とかって弱い。
その手のレコーディングでは佐野元春はすごいうまいと思います。特に最新アルバムの「The Sun」。
日本のアーティストも、ミーハー根性やハク付けだけで欧米レコーディングするくらいなら、KLレコーディングしたほうがいいんじゃないですかね?

posted by インサック at 00:37| Comment(4) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年05月30日

Jaclyn Victor/Gemilang

jaclyn.jpg

王道マレーシア女性シンガー。



ひところ流行った「アメリカンアイドル」各国版のマレーシアで優勝したジャクリーン・ヴィクターのデビューアルバム(2004年)。
この人インド系なんですね、珍しい。
マレーシアのポップス界でインド系の歌手って、この人とレシュモニュしか知りません。
話がそれますが、レシュモニュって激しく興味があるのですがCDを売ってるサイトが見つからない。もし知ってる人いたら教えてください、お願いします。

詳しい説明はこちらのMusic Raja Blogにも掲載されております。

マレーシア音楽界のそうそうたる面々が携わったようですが、いかにもマレーシアな、格調高いゴージャスな音になっております。
Music Rajaさんでは「古い」みたいな評価でしたが、確かに古い。
ただ、この手の古さ、小さなジャズクラブが似合うような、昔のシーラ・マジッドにも通じる「この感じ」って、マレーシアの音楽製作が最も得意としている路線じゃないか、という気もします。
欧米の一部や中華圏、フィリピンなんかでもこういう「歌い上げ系」って受ける傾向がありますが、マレーシアのものが一番洗練されてると思う。研ぎ澄まされてる、というか。

で、ジャクリーンもこのアルバムでは歌い上げたり歌い上げなかったりしているのですが、ま〜歌のうまい娘さんですな。
まあ歌がうまい歌手はどの国にもたくさんいるわけですが、この人はマレーシアのこういう曲調にすごくマッチする声質&歌い方だと思います。
同じマレーシアのシティ・ヌルハリザという、これまたたいそう歌のうまい娘さんがいるわけですが、シティちゃんはやっぱり情念のマレー民謡が似合う、逆に言うとポップスを歌った時ちょっと違和感があったりするのですが、ジャクリーンはインド系だからか、そういう「マレー(民族)っぽさ」とは一線引いたグローバルな香りがします。
特に高音がスコーンと伸びていくさまは、聴いててとても気持ちいい。

かつてシーラ・マジッドが目指した「非マレー民謡ポップス」の、ひとつの成果ではないでしょうか。なんつって。

posted by インサック at 00:55| Comment(7) | TrackBack(1) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月16日

Dayang Nurfaizah/Di Sini Bermula

dayang

キラキラ!



Legenda話が少し盛り上がったからか、マレーシアのシンガーが聴きたくなり、久々にDayang Nurfaizaを聴いてみました(2002年)。

マレーシアに行った時、マレー系の人と
「いやー最近はシティ一色だよね〜」
みたいな話をしてたら、
「いや、私はDayangのほうが好きだ。顔はシティのほうがかわいいいけど」
と言うのでためしに買ってみました。
当時けっこうCDショップでもディスプレイされてて「力入ってる感」がありましたし、このアルバムに収録されている「Seandainya Masih Ada Cinta」はマレーシア版グラミー賞、AIMの2002年度最優秀曲賞を獲得しています。

で、アルバムの方ですが、情念のマレー歌謡とポップス半々という感じです。
マレー歌謡って日本の演歌に通じる部分がけっこうあって、デコピーの「Pancawarna」なんかもかなり演歌っぽいわけですが、これって日本でも受けるんじゃないかな、と思います。
余談ですが、おれは高校時代を熊本で過ごしたのですが、同級生は普通に演歌を聴いてました。

「Seandainya Masih Ada Cinta」もちょっとそんな感じは、あります。高橋真梨子みたいな。
そういう曲調は個人的にはあんまり…なのですが、ポップス面がかなりよい。コンテンポラリーでおしゃれで、またダヤンの声がすごくきらびやかで、デコピーほど辛気臭くなく、シーラほど超越してもいない、エイミーほどはすっぱでもなく、「今風マレー女性」的な感じがして、聴いてて気持ちいいです。
前編これで行っていただければおれ的にはすごく良かったのですが、まあマーケットを考えると歌謡系も必要なんでしょう。

でもいいアルバムです。ダヤンの声がキラキラしてます。

惜しいのがジャケットのデザイン及び印刷が「海賊版?」と思うほど悪いこと。
もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。
posted by インサック at 01:35| Comment(4) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年01月13日

Sheila Majid/Legenda

sheilamajid_legenda

日本盤持ってます。



シーラの日本盤はこの他にも編集盤の「Sinaran」や「Wanita」など数枚ありますが、これが最も日本で売れたアルバムではないでしょうか(1991年)。日産のCMにもなったし。しかしマレーシアのシンガーの日本盤がメジャー(このアルバムは東芝EMIから発売されてます)からリリースされるなんて、今では考えられないですな。

このアルバムは通常のものと違って、マレーシアの国民的ミュージシャンP.Ramleeのカヴァーが中心となってます。
日産のCMに使われた「Larut Malam」(邦題「真夜中の恋」)もRamleeの曲です。
Ramleeの曲のオリジナルは50~60年代にリリースされたものなので、「古い」を通り越してレトロな「粋」を感じさせるものです。
純粋にメロディーとしても、ノスタルジックな哀愁を感じさせる名曲揃いですね。
このアルバムでは、当然91年時点でのコンテンポラリーな音にリアレンジされているのですが、それでも相当古く聴こえます。
とは言え、当時の日本の状況と比較すれば、そうとうおしゃれで垢抜けてます。
こういうファインな音、なんというか、本物のジャズのエッセンスをポップソングに応用するワザは、当時の欧米でもあまり類を見なかったんじゃないでしょうか。Sadeくらいか。

この後のシーラのアルバム、例えば「Ratu」とか「Ku Mohon」、また最新作の「Cinta Kita」と比較すると、正直しょぼいと言わざるを得ない。
シーラのヴォーカルも近年の余裕を感じさせる円熟味と較べれば、ちょっと青い感じは否めないところです。普通の歌のうまいジャジーな女性ヴォーカリスト、という感じです。
しかし、その当時にしか存在しなかった、逆に今のシーラにはない魅力があることも確か。
まあ、おれはシーラの大ファンなので、どんな音源でも聴ければ幸せなのですが。

当時このアルバムを聴いて、それ後シーラと疎遠になってしまった人にこそ、今のシーラを聴いてもらいたい、そんな気がします。
posted by インサック at 00:00| Comment(10) | TrackBack(0) | マレーシア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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